1872年(明治5年)の出来事

学制発布と鉄道開業

今から154年前の出来事

この年の位置づけ

文明開化の始まり

学制や鉄道開通など、西洋化政策が急速に進みました。日本社会が近代化へ向かって大きく動き始めた時期です。

1872年(明治5年)は、日本が近代国家としての姿を具体的に形にし、「社会の仕組みそのもの」が大きく変わり始めた年です。

明治維新以降、政府は中央集権化や制度改革を進めてきましたが、この年は特に教育・産業・交通といった分野で、国の基盤となる仕組みが一気に整えられました。

鉄道の開通や学制の発布などにより、日本人の生活や価値観は大きく変わり始めます。

つまり1872年は、「近代国家の仕組みが実際の社会として動き始めた年」といえます。

まず全体を把握

明治政府は、なぜ急速な近代化を進めたのか?

学制の公布や鉄道開業により、日本は近代国家としての仕組みを整え始めます。
明治維新からこの年に至るまでの改革の流れを時系列で確認できます。

明治初期の流れを一気に理解する →
1872年のポイントQ&A

Q. 1872年は何が起きた?
A. 学制が発布され、日本で近代的な学校教育制度が始まりました。

Q. なぜ重要なのか?
A. 全国民を対象とした教育が制度化され、近代国家の基盤が整ったためです。

Q. この後どうなる?
A. 徴兵制や税制改革など、国家制度の整備がさらに進みます。
1873年(徴兵令)を見る

1872年の重要出来事

京浜鉄道開業式行幸
  • 新橋〜横浜間で日本初の鉄道が開業した
  • 学制が公布され、近代的学校制度が始まった
  • 太陽暦(新暦)が採用され、西洋式暦へ変更された
  • 富岡製糸場が操業を開始し、近代産業化が進んだ
  • 文明開化政策が全国へ広がり、西洋文化導入が加速した

出来事・事物起源・話題

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1月2日
外国公使(英・米・独・仏・伊・西・蘭)が参内し、新年の賀詞を述べる(外国大使参内拝賀の恒例となる)
1月4日
軍人勅諭が下賜される
1月6日
榎本武揚、函館戦争の罪により入獄中、黒田清隆の助命運動により出獄する
1月8日
明治天皇、日比谷門外の操練場で行軍式を御閲兵される
1月20日
官制改革により、勅任官・判任官・奏任官の新制度を定める
1月24日
明治天皇、牛肉を初めて召し上がる
1月25日
岩倉大使、グラント米大統領と会見する
1月26日
全権岩倉具視、アメリカに国書を手交する
1月29日
初の全国戸籍調査、総人口331万825人
2月2日
北京に初めて公使館を設ける(初代公使に柳原前光)
2月15日
土地永代売買の禁を解く
2月18日
海陸軍の刑律を頒布する
2月21日
「東京日日新聞」創刊
2月26日
東京築地・銀座の大火(約4,000戸焼失、この火事により「銀座煉瓦街」の都市計画が始まる)
2月28日
兵部省を廃し、陸軍省・海軍省を設置する
3月5日
日本初の万国博覧会を開催する
3月5日
最初の陸軍中将に山県有朋を任命する
3月7日
特旨により榎本武揚の罪を赦す
3月9日
親兵を廃して、近衛兵を置く(薩長土の三藩の兵約1万)
3月11日
日本人による初のキリスト教会が横浜に設立される
3月12日
東京・大阪・鎮西・東北の鎮台条例を定める
3月27日
高野山(金剛峯寺)の永年の伝統であった「女人禁制」が初めて解かれる
3月28日
太政官布達により、今後は開港場県庁に国旗(日章旗)を掲揚すべしと命じる
3月29日
太政官令により、入墨を禁じる
4月2日
日本初の近代的図書館「書籍館」が開館する
4月5日
女子の断髪を禁じる
4月9日
庄屋、名主、年寄などの制度を廃し、新たに戸長、副戸長を置いてこれに代える
4月11日
東京に初めて女学校が開校する(俗に女紅場、あるいは英学校と称される)
4月24日
日曜日休暇の制度が定まる
4月25日
僧侶の肉食妻帯を許可する
5月5日
食用氷が初めて市場に現れる
5月7日
東京・横浜間鉄道が仮開通する
5月10日
勝海舟、海軍大輔に任じられる
5月17日
特命全権副使大久保利通、伊藤博文が再びアメリカへ赴く(寺島宗則はイギリスへ)
5月23日
明治天皇、西国へ巡幸のため品川湾より軍艦「龍驤」に召されて発途される
5月24日
兵庫楠木神社を湊川神社と改称し、最初唯一の別格官弊社に列格する
5月29日
初めて師範学校を東京に開設する(東京師範学校の前身)
6月1日
東京に報知新聞が創刊される
6月4日
マリア・ルース号事件
6月5日
群馬県富岡製糸工場を開設する(農商務省経営、官営最初の製糸場として絹糸国産発展の端緒となる)
6月14日
明治天皇御巡幸、長崎に入港される
6月21日
山内容堂(豊信)死去
6月24日
文部卿大木喬任により教育行政方針九箇条が頒布される
6月24日
北海道手宮港を小樽と改称する
7月1日
大阪税関の前身である運上所を設立する
7月19日
参議西郷隆盛、陸軍元帥となり、近衛都督を兼任する
7月30日
井上馨、人身売買の廃止を正院に建白し、同時に人権の自由を説く
8月3日
近代教育発程の第一歩である「学制」を制定する(学区制と就学奨励)
8月5日
水戸に鎮台分営を設ける
8月10日
天保山および和田岬燈台が竣工する
9月7日
東京・大阪間の電信が開通する
9月12日
新橋・横浜間鉄道開業式(鉄道記念日)
9月14日
琉球王昌泰、藩主に封じられる
9月24日
日本最初のガス燈、横浜に点火される(東京は翌々年12月18日点火)
9月24日
メートル原器を制定する
10月2日
人身売買の禁令が布告される
10月3日
新橋・横浜間鉄道専用電信を開設する
10月4日
富岡製糸場、操業を開始する(「富国強兵」の旗印、模範官営工場スタート)
10月10日
北海道居住者奨励のため10年間免税とする
10月14日
新橋・横浜間鉄道が開通する
11月4日
蚕種原紙、大蔵省にて制定される
11月5日
礼服に洋服を採用する
11月9日
明治政府、陰暦を廃し太陽暦採用を発表する(12月3日をもって、明治6年1月1日と定める)
11月12日
大礼服、通常礼服が制定される
11月15日
国立銀行条例を定め、銀行設立を許可する
11月15日
神武天皇即位の年を紀元元年と制定する
11月23日
司法卿江藤新平、司法大輔福岡孝悌の両人が、「妾廃止」の建議案を提出する(却下)
11月23日
大相撲、女性に見物を許可する
11月28日
運上所を税関と改称する
11月28日
徴兵令を発布する(全国男子28歳に達する者を兵籍に編入)
11月30日
初のサッカー公式国際試合
12月1日
国民皆兵に関する詔勅が下る
12月2日
太政官布達人身売買禁止令

この年に始まったこと

1872年(明治5年)は、日本の近代化を象徴する制度やインフラが次々とスタートした年です。教育・交通・戸籍など、現在の日本にもつながる仕組みが動き始めました。

  • 学制が公布された
    日本初の近代的な学校制度として学制が制定され、全国民を対象とした教育制度が始まりました。
  • 日本初の鉄道が開業した
    新橋-横浜間で日本初の鉄道が開業し、日本の鉄道時代が始まりました。
  • 戸籍制度が始まった
    壬申戸籍の編製が開始され、全国民を把握する近代的な戸籍制度の運用が始まりました。
  • 太陽暦が採用された
    旧暦から新暦(太陽暦)への切り替えが決定され、日本の暦制度が近代化されました。
  • 官営富岡製糸場が操業を開始した
    日本初の本格的な機械製糸工場として操業を開始し、近代産業育成の象徴となりました。

1872年は、「教育・鉄道・近代産業が始まった年」でした。

この年は何が変わったのか

1872年(明治5年)は、明治政府が近代国家建設を本格化させ、日本社会が大きく変わり始めた年でした。学制や鉄道開業など、西洋化と近代化を象徴する改革が次々に進められていきます。

学制によって近代教育制度が始まった

1872年、明治政府は学制を公布し、日本初の近代的学校制度を整えました。全国民に教育を広げる方針が示され、日本は近代国家としての人材育成を本格的に進めていきます。

新橋横浜間鉄道開業によって近代交通時代が始まった

新橋〜横浜間で日本初の鉄道が開業しました。蒸気機関車による輸送は人々に大きな衝撃を与え、日本は本格的な近代交通時代へ入っていきます。

富岡製糸場によって近代工業化が進み始めた

政府主導で設立された富岡製糸場が操業を開始しました。西洋技術を導入した近代工場として、日本の殖産興業政策を象徴する存在となっていきます。

太陽暦採用によって生活制度が西洋化した

明治政府は太陽暦を採用し、それまでの旧暦から新暦へ変更しました。人々の生活習慣にも大きな変化が生まれ、日本社会の西洋化が急速に進んでいきます。

文明開化の空気が広がり始めた

鉄道・洋服・西洋建築など、新しい文化や技術への関心が高まりました。都市部を中心に西洋文化を取り入れる動きが広がり、日本社会は「文明開化」の時代へ入っていきます。

明治政府による近代国家改革が本格化した

教育・産業・交通・制度改革が同時に進められたことで、日本は急速に近代国家への道を歩み始めました。1872年は、明治日本の基盤が本格的に整い始めた重要な一年でした。

この年の重要人物

1872年(明治5年)は、日本初の鉄道開業や学制の公布など、近代国家建設が大きく前進した年です。また、戸籍制度の整備や欧米視察の継続など、明治政府による近代化政策が本格的に進められました。この年を理解するうえで重要な人物を整理します。

  • 岩倉具視
    岩倉使節団を率いて欧米各国を訪問しました。日本の近代化に必要な制度や技術の調査を進めた中心人物です。
  • 伊藤博文
    岩倉使節団の一員として欧米を視察しました。後の憲法制定や近代国家建設につながる知識と経験を積んだ年でした。
  • 大木喬任
    文部行政の整備に関わり、近代教育制度の基礎となる学制の公布を支えました。日本の学校教育の出発点を担った人物です。

この年を彩った人物

  • 福澤諭吉
    『学問のすゝめ』初編を刊行しました。近代日本の教育思想に大きな影響を与えた人物です。

生活の話題

  • 鉄道職員の制服を定める
  • 婦人の漸髪禁止令出る
  • 西洋婦人築地で洋裁教授をなすの新聞広告あり
  • 各県で服通常礼服を西洋式に定める、ただしこれの無い者は当分直垂、裃のこと
  • 東京市散髪所およそ3,000軒
  • 書生の羽織大流行
  • 袴をはいた女書生現れて物議をかもす
  • 西村製靴工場の分場で軍靴製造を始める
  • 東京大森で麦わら真田帽子製造着手
  • 東京府、男女混浴文身等禁止

  • 米・豆その他雑穀で油をとることを許可される
  • 敦賀県、肉食奨励の諭達を出す
  • 近藤芳樹著『牛乳考』『屠畜考』、仮名垣魯文の『西洋料理通』出版
  • 北海道開拓使、桜桃その他の果物の苗を移入

  • 東京府煉瓦造家屋建築に関する規定を公布
  • 官舎払下規則・第舎貸渡規則公布
  • 横浜外人居留地・横浜馬車道・本町通にガス燈竣工
  • 石油ランプの使用普及し出火の原因となる注意書が出る

その他

  • 永代土地売買許可
  • 庄屋名主を廃止、区長・戸長をおく
  • 品川・横浜鉄道開通
  • 飛脚の信書通信、東京で跡を断つ
  • 伝馬・助郷廃止
  • 農民の商業許可
  • 私に姓名家号の改称を廃止
  • 学制発布
  • 新橋・横浜間鉄道開通
  • 人身売買類似の年期奉公を解除、年期一年に限る
  • 歯みがき粉の新聞広告出る
  • 徴兵の詔発布
  • 東京府、太政官に国旗掲揚に付き伺書を出す
  • 大阪府、右側通行等交通整理を布告
  • 改暦の詔発布
  • 東京・京都間電信線架設
  • 富岡製糸・鹿島紡績成る

1872年のポイントまとめ

  • 学制公布によって近代教育制度が始まった
    明治政府は全国的な学校制度を整備し、日本近代教育の基礎を築き始めました。
  • 新橋―横浜間で日本初の鉄道が開業した
    鉄道開通によって人や物の移動が大きく変化し、日本の近代化を象徴する出来事となりました。
  • 太陽暦の採用で生活制度が大きく変化した
    明治政府は西洋式の太陽暦を導入し、日本社会は新しい時間制度へ移行しました。
  • 殖産興業政策が本格的に進み始めた
    工業化やインフラ整備が進められ、日本は近代産業国家への道を歩み始めました。
  • 文明開化が社会へ広がり始めた年であった
    1872年は、教育・交通・制度改革によって、人々の暮らしが大きく変化し始めた重要な年でした。

1872年は、学制公布や鉄道開業によって、日本近代化が生活レベルへ広がり始めた年でした。明治政府は西洋制度を積極的に導入し、文明開化の流れは全国へ広がっていきます。 日本社会が大きく変わり始めたことを実感できる、象徴的な一年となりました。

1872年のよくある質問 Q&A

Q. 1872年とはどんな年ですか?

1872年は、学制の発布により日本の近代教育制度が始まった年です。 国民全体に教育を広げる取り組みが本格化しました。

Q. 学制とは何ですか?

学制とは、全国に学校を設置し、すべての人に教育を受けさせる制度です。 日本で初めての近代的な教育制度でした。

Q. なぜ教育制度が必要だったのですか?

近代国家として発展するためには、 国民の知識や技術を向上させる必要があったためです。

Q. 当時の人々の反応はどうでしたか?

授業料の負担などから反発もありましたが、 徐々に教育の重要性が認識されていきました。

Q. なぜ1872年は重要なのですか?

教育制度の整備により、 日本の近代化を支える人材育成が始まったためです。

Q. 1872年の出来事はその後どうつながりますか?

徴兵令や地租改正などの制度改革が進み、 近代国家としての体制が整っていきます。
1873年(徴兵令)を見る

Q. 他に重要な変化はありましたか?

鉄道の開通など、インフラ整備も進み、 日本社会が大きく変わり始めました。

Q. 1872年の重要人物は誰ですか?

大久保利通、木戸孝允、伊藤博文などが政策を推進しました。

Q. 1872年は日本にとってどんな意味がありますか?

1872年は、教育を通じて近代国家の基盤を支える人材育成が始まった年です。

次に読むなら

近代化は、その後どのように日本全国へ広がっていくのか?

教育・交通・制度改革はさらに進み、日本は本格的な近代国家へと発展していきます。
明治初期から中期への流れをあわせて理解できます。

明治の発展の流れを確認する →

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明治時代年表から、この年の前後をたどる

明治維新から日清・日露戦争、近代国家の形成までを時系列で整理しています。

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