1897年(明治30年)の出来事

金本位制と経済近代化

今から129年前の出来事

1897年(明治30年)は、日本が本格的な資本主義国家へと歩み出した年です。金本位制の導入により国際経済に参加し、労働運動の誕生によって社会構造も大きく変化しました。教育・文化・生活の各分野でも近代化が進み、日本は次の段階へと進み始めます。

1897年の重要出来事

金本位制の導入(貨幣法制定)

日本の通貨制度が世界標準へ

労働組合期成会の結成

日本の労働運動の出発点

京都帝国大学開校

近代高等教育の拡充

『ホトトギス』創刊(正岡子規ら)

近代文学の新潮流が誕生

「経済・労働・教育・文化」が一気に近代化した年

この年は何が変わったのか

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日本が「近代国家から“資本主義国家”へ本格移行した年」と言えます。

  • 金本位制の導入
     → 国際的に通用する経済システムへ
  • 労働運動の始まり
     → 資本と労働の対立が表面化
  • 帝国大学の拡充
     → 国家主導のエリート育成が進展

つまり、国家・経済・社会の構造が「近代的に完成し始めた段階」

出来事・事物起源・話題

1月5日
新政党革新倶楽部組織
1月14日
南米の高峰アコンカグヤ(標高6,960m)の処女登頂に成功
1月15日
俳句雑誌『ほとゝぎす』創刊
1月15日
東京瀧野川に下瀬火薬製造所開庁(発明家下瀬雅允所長)
1月27日
政党実業同志倶楽部の組織成る
2月4日
英清ビルマ協定
2月22日
ブラジルとの修好条約公布
3月3日
足尾鉱山鉱毒被害地の人民、日比谷に結集
3月22日
『ジャパン・タイムス』創刊
3月24日
内閣に足尾鉱毒事件調査委員会設置
3月29日
金本位制確立(貨幣法公布)
3月31日
シャム国に公使館開設(初代シャム公使に稲垣満次郎を任命する)
4月1日
台湾銀行法公布
4月1日
第一次大大阪市成る
4月3日
「社会問題研究会」結成
4月6日
高野房太郎ら労働組合結成を訴える演説会を開く
4月9日
日本移民680名ハワイホノルル着(その内560名上陸を拒絶される)
4月22日
東京朝日新聞社にて初めて伝書鳩を用い、八王子の大火(約3,100戸焼失)を報道
4月26日
国会図書館開館
4月27日
帝国図書館開館
5月1日
東京、京都間の電話開通する
5月1日
京都帝国博物館開館式挙行
5月2日
台湾における地方官制実施
5月8日
渋沢栄一ら、米人モールスとの間に京仁鉄道敷設権譲受契約調印
5月17日
ブラジルに公使を設ける
5月28日
タイに日本公使館開庁
5月29日
北海道に区制・一級・二級町村制公布
6月1日
福岡県八幡に製鉄所開所
6月5日
東京に岩倉鉄道学校開校
6月16日
アメリカ、ハワイ併合条約調印
6月18日
京都帝国大学設立
6月22日
京都帝国大学の設立に伴い、既存の帝国大学を東京帝国大学と改称する
6月26日
海軍、海外留学制度を再開(財部彪、村上格一、林三子雄、広瀬武夫、秋山真之ら5人を選抜)
6月28日
台湾モリソン山を新高山と改称
7月4日
労働組合期成会の発起人開催
7月30日
石川県七尾港、竣工開港式
8月2日
日本勧業銀行開業
8月10日
東京両国の川開きに人出多く、両国橋の欄干崩れ、死傷者多数を出す
8月20日
日本法律学校を日本大学と改称する
8月29日
島崎藤村「若菜集」刊行
8月30日
南米ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市に、公使館開設
9月11日
京都帝国大学開設
9月25日
日本智利(チリ)通商航海条約調印
10月1日
金本位制実施
10月2日
御歌所の官制定められる
10月22日
海軍軍医学校設置
10月31日
進歩党、松方内閣との提携断絶
11月14日
ドイツ、膠州湾占領
12月5日
ベルギーのブリュッセルに公使館開庁
12月5日
『労働世界』刊
12月21日
松方首相辞表を提出
12月21日
第11通常議会召集
12月25日
衆議院の解散を命ぜられる
12月31日
伊藤博文に第三次組閣の大命下る

総理大臣

松方正義(明治29年9月18日~明治31年1月12日)

生活の話題

  • リボン・組紐が人絹で作られ始める
  • ハイカラという言葉に対しバンカラの言葉が使われる
  • 服飾調度品の上にも復古調盛ん、元禄復興の風あり
  • 婦人の間に被布の代りに、毛製のアヅマコートが流行、地方では赤ケットと共に二重廻しが多く行われる
  • コハゼのある足袋が普及し始める
  • 著名の役者鉛毒で倒れ、メリー白粉好評を得る
  • ぜいたくな婦人洋傘流行し始める
  • 尾崎紅葉の『金色夜叉』発表されて、指輪流行
  • 東京靴商組合できる
  • ドル札入が流行
  • スーツケース現れ始める
  • 外国綿はアメリカ・エジプトよりも輸入されはじめた

  • ラムネの瓶が胡瓜瓶から玉瓶にきりかえられ、更に売れ行きは倍増
  • アルミニウム製の箸や弁当箱が作られる

  • 横浜市西洋家具指物職同盟会創立

文学

  • 『ほととぎす』創刊(1月)
  • 『国史大系』刊行(2月)

その他

  • 重要輸出品同業組合法公布
  • 書籍館を帝国図書館と改称
  • 職工義友会設立
  • 日本橋に労働組合期成会発会
  • 日比谷大神宮に二組の結婚式あり
  • 東京に鉄工組合設立
  • 常盤線・関西本線等、各鉄道開通するもの多し

地方の話題

東北

  • 仙台で河北新報を創刊(宮城)

関東

  • 神田の錦輝館で活動大写真が上映される
  • 足尾銅山に対して鉱毒排除命令が出される(栃木)

中部

  • 新潟における紫金牛の盆栽取り締りで騒動がおこる
  • 中村大八郎らが長野で普通選挙同盟会をつくる

近畿

  • 京都帝国大学が開校

四国

  • 鳥居龍蔵が名東郡高崎村で人類学的調査をおこなう(徳島)

この年のポイントまとめ

✔金本位制導入で国際経済に参加
✔労働運動が始まる
✔帝国大学体制が拡充
✔俳句・文学が近代化
✔鉄道・新素材・娯楽が普及

まとめると「日本が“近代国家”から“産業国家”へ進化した年」

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