この年の重要キーワード
学校令
学校制度に関する法令の総称。特に帝国大学令・師範学校令・小学校令・中学校令などを指す。文相森有礼が立案の中心。近代教育制度確立の基礎となった。
ノルマントン号事件
イギリスの貨物船ノルマントン号が紀伊半島沖で沈没、船長以下乗組員が全員救助されるなか、日本人は救助されなかった。イギリス領事の裁判で船長が無罪となったため、日本の世論は憤激。外国人の治外法権に対する批判を強め、条約改正に影響を与えた。
出来事・事物起源・話題
- 1月1日
- 正貨兌換を開始する(銀本位制)
- 1月1日
- 鉄道定期乗車券、初めて発行される
- 1月9日
- 修史館を廃し、内閣に臨時修史局を設置
- 1月26日
- 北海道の3県を廃止し北海道庁開設(長官は岩村通俊)
- 1月28日
- 鎮台を廃して師団とする
- 1月28日
- ハワイと渡航条約調印
- 2月27日
- 各省官制通則を公布、職種・指揮命令系統を定める
- 2月28日
- 六鎮台を廃し師団とする(東京・仙台・名古屋・大阪・広島・熊本)
- 3月1日
- 帝国大学創立記念日(帝国大学令制定にともなって記念日と定める、公布は翌日2日)
- 3月2日
- 帝国大学令公布
- 3月3日
- 各省に次官を置く
- 3月9日
- 初代東京府知事(兼東京市長)に議官高崎五六を任命する
- 3月18日
- 名古屋に株式取引所設立
- 4月1日
- メートル条約に加盟
- 4月4日
- 東洋絵画共進会開催(於上野公園)
- 4月9日
- 東京高等師範学校開設
- 4月10日
- 師範学校令・小学校令・中学校令を公布する
- 4月29日
- 商船学校、高等師範学校などの管制交付
- 5月1日
- 外務大臣井上馨、各国公使と第一回条約改正会議を外務省にて開く
- 5月2日
- 国産鉛筆工場初めて東京四谷に設置(佐賀県人真崎仁六により起業)
- 5月10日
- 教科書検定条例制定
- 5月20日
- 東京浅草公園、開園祝賀会
- 5月30日
- 秋田市の大火(約3400戸焼失)
- 6月3日
- 自由党員の箱根離宮竣工式襲撃の陰謀発覚(静岡事件)
- 6月25日
- 日本薬局方制定公布
- 7月12日
- 東経135度の子午線時を本邦一般の標準時と定める
- 7月24日
- 監軍本部廃止
- 7月24日
- 東京築地の海軍兵学校、広島県江田島に移る(開校は8月1日)
- 7月26日
- 朝鮮独立運動の志士金玉均、日本に遊説中神奈川県において拘留の難に遭う
- 7月31日
- 箱根塔ノ島の離宮成る
- 8月13日
- 長崎上陸の清国水兵暴虐事件起こる
- 8月13日
- 登記法公布
- 10月16日
- 宝塚温泉落成式
- 10月18日
- 軍艦「畝傍」、回航の途につく
- 10月24日
- ノルマントン号事件 (英国汽船ノルマントン号、紀州沖の暗礁に沈没、日本乗客のみ溺死し問題起る)
- 10月24日
- 星亨・中江兆民ら全国有志大懇親会を開催
- 10月26日
- 薩摩、大隈に多数隕石落下
- 11月16日
- 赤十字条約へ加入の件公布
- 11月17日
- 東京の博愛社病院(後の日本赤十字病院)開院式あり(皇后宮行啓)
- 12月6日
- 矢島揖子ら婦人矯風会設立
- 12月11日
- 西村茂樹、日本道徳論を構ず
- 12月13日
- 神奈川県三浦郡三崎に最初の臨海実験所開設される
総理大臣
伊藤博文(明治18年12月22日~明治21年4月30日)
生活の話題
衣
- 帝国大学制服制帽を定める
- 婦人あみもの会発会
- 時計の輸入37,000余個
食
- 三田育種場『舶来穀菜要覧』を刊行、農家で栽培法を会得するものあり
- コレラ流行に際し、ラムネの宣伝功を奏し東京市民一般ラムネの存在をしる
住
- ドイツ建築技師ビョクマンの好意により、日本の建築技師及び職人20名がドイツに建築を学ぶため出発する
- 東京電燈会社、電球の製造に着手
文学
- 山田美妙著『新体詩選』刊(8月)
その他
- 鎮守府、軍港をおく
- 共立女子職業学校設立
- 共立病院内に看護婦教育所設立
- 神戸に曳船廻漕会社設立
- 若松港に筑豊?業組合設立
- 大阪で18歳未満の人力車夫を禁じ車夫服装を定める規則を公布