1912年(明治45年)は、明治という時代が終わり、新しい時代へと移り変わった年です。
この年、明治天皇が崩御し、日本は明治から大正へと改元されました。
約45年間続いた明治時代はここで幕を閉じ、日本は次の時代へと進んでいきます。
明治時代は、幕末の混乱から始まり、近代国家の形成、戦争と勝利、そして国際社会への進出を経て、日本の基盤を築いた時代でした。
つまり1912年は、「近代日本を作り上げた時代が終わった年」といえます。
1912年の重要出来事【まずここだけ読めばOK】
■ 明治天皇崩御
7月30日、明治天皇が崩御しました。
これにより、明治時代は終わりを迎えます。
■ 大正へ改元
同日、皇太子嘉仁親王が即位し、元号は「大正」へと改められました。
■ 新しい時代の始まり
政治や社会の中心は次第に変化し、明治とは異なる価値観を持つ時代が始まります。
■ 社会・生活の近代化の進展
日本初のタクシー営業開始や各種産業の発展など、都市生活の近代化がさらに進みました。
■ 労働運動の芽生え
友愛会(後の労働運動の基盤)が創立され、社会運動の新しい流れが始まります。
この年は何が変わったのか
1912年は、日本の「時代の区切り」が明確になった年です。
明治時代は、
・中央集権国家の確立
・産業と軍事の発展
・列強としての地位確立
という大きな変化を成し遂げました。
しかし明治天皇の崩御によって、その時代は終わりを迎えます。
そして大正時代に入ることで、
・政治の民主化
・社会運動の拡大
といった、新しい流れが始まっていきます。
つまりこの年は、「近代国家の完成から、新しい社会への転換点」です。
この変化は、大正デモクラシーへとつながっていきます。
出来事・事物起源・話題
- 1月8日
- 頭山満、犬養毅、南京にて孫文、黄興等と正式会見を行う
- 1月16日
- 大阪の大火(難波新地の湯屋煙突より発火し4,576戸焼失、死傷者多数)
- 1月21日
- 最初のスキー競技会、新潟県高田市金谷山に挙行される
- 1月27日
- 日中国政府、大倉組と300万円借款
- 1月28日
- 白瀬中尉、南極に日章旗を掲ぐ
- 2月1日
- 京都ガス会社争議
- 2月12日
- 宣統帝退位、清朝廃止
- 2月22日
- 未成年者の飲酒取締法制定
- 2月25日
- 台湾で中国人の会社設立禁止
- 3月12日
- ジャパン・ツーリスト・ビューロー(JTB)、東京に創立(中村是公、近藤廉平、浅野総一郎らが発起)
- 3月18日
- 小松宮彰仁親王の銅像竣工し、上野公園内に除幕式を挙げる
- 3月22日
- 白瀬中尉の南極探検船開南丸、探検を終えて無事ウエリントンへ入港
- 3月29日
- 呉海軍工廠スト
- 4月1日
- 三原山噴火
- 4月29日
- 北海道夕張炭坑爆発 276名死亡
- 5月12日
- 国内最初の郵便飛行、米国アットウォーターにより、東京芝浦・横浜間で試みる
- 5月16日
- 第5回オリンピックへ三島・金栗出発
- 5月18日
- 発明協会にて無線電信発明家鳥潟右一、横山英太郎、北村政治郎の表彰
- 5月22日
- 山陰鉄道線竣工全通する
- 6月6日
- 私娼の検黴制度実施される
- 6月8日
- 日本鋼管設立
- 6月18日
- 6国(日英米独仏露)借款団成立
- 7月3日
- 大坂の「新世界ルナパーク」開場
- 7月5日
- 東京にタクシー自動車会社創立
- 7月8日
- 第三回日露秘密協約、調印
- 7月10日
- 明治天皇、東京帝国大学へ行幸(最後の行幸となる)
- 7月20日
- 明治天皇重患の御由、宮内省より発表される(御平癒祈願の赤子二重橋前に充ちて跪坐す)
- 7月20日
- 樺太縦貫鉄道全通式を挙ぐ
- 7月22日
- 豪雨のため、富山県小川温泉全滅
- 7月30日
- 明治天皇崩御(大正に改元)
- 7月30日
- 皇太子嘉仁親王、踐祚
- 8月1日
- 友愛会を創立する
- 8月5日
- 日本初のタクシー営業開始
- 8月13日
- 桂太郎、内大臣兼侍従長に就任する
- 8月13日
- 大正天皇、山県有朋・大山巌・松方正義・井上馨・桂太郎に先帝(明治天皇)の遺業を継ぐ勅語を下す
- 9月13日
- 明治天皇御大葬
- 9月13日
- 乃木希典夫妻、殉死する
- 9月14日
- 明治天皇、京都の伏見桃山陵に葬られる
- 9月26日
- 恩赦令、大赦令公布
総理大臣
西園寺公望(明治44年8月30日~大正元年12月21日)
桂太郎(大正元年12月21日~大正2年2月20日)
生活の出来事
食
- 米価暴騰、不正枡検挙行われる
- 鉄道員施米運賃割引施行
住
- 門司及び若松市に水道竣工
- 名古屋、市営で屎尿処理事業始める
- 秋田・松山・山口・福井の各ガス会社それぞれ開業
出版
- 『悲しき玩具』(石川啄木)
- 『新訳源氏物語』(与謝野晶子)
- 『牧水歌話』(若山牧水)
- 『浅草』(久保田万次郎)
- 『土』(長塚節)
その他
- 山陰鉄道開通
- 財団法人大阪職業紹介所設立
- 済生会、深川・本所に診療開始
- 友愛会結成
- 北九州で自動車業出願各地に起こり、道路幅員なきため不許可のもの多し
- 製縄機発明される
- 高松電気軌道、岡山電気軌道、広島電気軌道、それぞれ開業
地方の出来事
北海道
- 夕張炭鉱でガス爆発が起こり260名が亡くなる
関東
- 榛名湖でスケートをはじめる(群馬)
中部
- 大石寺を大本山とする日蓮宗富士派が日蓮正宗と改称(静岡)
中国
- 山陰線が出雲今市まで全線開通する(島根)
九州
- 清国動乱に際し、小倉第12師団に動員令くだる(福岡)
- 沖縄県に衆議院議員選挙法を施行
この年のポイントまとめ
✔明治天皇の崩御により、明治時代が終わった
✔大正へ改元され、新しい時代が始まった
✔日本は近代国家としての基盤を完成させていた
✔都市生活や産業がさらに発展した
✔社会運動の新しい流れが始まった
1912年は、明治という激動の時代の終わりを象徴する年です。
この年を理解することで、日本がどのように近代国家へと成長し、次の時代へ進んでいったのかが見えてきます。
