1879年(明治12年)は、日本の国家体制がさらに強化され、中央集権国家としての形が整えられていった年です。
この年には、琉球王国が廃止され沖縄県が設置されるなど、日本の領土と統治のあり方に大きな変化が起こりました。
近代国家としての「統治」が完成に近づいた年です
1879年の重要出来事【まずここだけ読めばOK】
■ 沖縄県の設置(琉球処分)
琉球王国が廃止され、日本の一部として沖縄県が設置されました。
日本の領土が現在の形に近づく
中央政府の支配が全国へ拡大
■ 明治政府の統治強化
廃藩置県(1871年)以降進められてきた中央集権化が、この時期に完成段階へと入ります。
地方 → 国家へ
支配構造が一本化
■ 衛生と感染症(コレラの流行)
・コレラが流行し、多くの死者が発生
・当時は原因が十分に解明されておらず、強い恐怖の対象となった
近代日本における「公衆衛生」の重要性が認識され始める
■ 教育・制度の整備
教育制度や行政制度の整備が進められ、国家運営の基盤が固められていきました。
この年は何が変わったのか
1879年は、日本の「領土」と「統治」が明確になった年です。
- 琉球 → 日本へ編入
- 地方 → 中央政府の支配へ
- 制度 → 国家として整備
つまり、「日本という国家の輪郭が完成に近づいた年」
幕末の動乱期を経て、
「国家を作る段階」から「国家を固める段階」へと移行
出来事・事物起源・話題
- 1月25日
- 大阪朝日新聞創刊される
- 1月29日
- 万国電信条約に加盟し、外国電信業務を開始
- 3月12日
- 最初の内閣書記官長に中村弘毅を任命(内閣書紀官設立は3月10日)
- 3月14日
- 松山にコレラ発生、全国に広がる
- 3月20日
- 東京府会開会(府県会規則による府県会の最初)
- 3月27日
- 愛国社第二回大会開催
- 3月28日
- 初めての蓄音機の吹込(東京商法会議所において福知桜痴による)
- 4月4日
- 琉球藩を廃止、沖縄県とする
- 5月9日
- 官吏の公開の場での政談演説を禁止する
- 5月13日
- 陸軍幕僚参謀条例を定める
- 5月15日
- 山林局を内務省に設置
- 6月4日
- 東京招魂社を別格官幣社とし、靖国神社と改称(内務・陸軍・海軍3省の管理とする)
- 6月27日
- コレラ予防法定める
- 7月3日
- アメリカ前大統領グラント将軍夫妻来日
- 7月4日
- 来日中のアメリカ前大統領グラント将軍来朝参内する
- 7月10日
- 東京大学卒業生に初めての学位(学士号)授与する(医学本科18名、製薬本科19名の計37名)
- 7月16日
- 日本最初の考古学研究書完成(モールスの「大森貝塚研究報告」)
- 8月1日
- 日本最初の損害保険会社開業(東京海上火災保険会社)
- 8月10日
- 明治天皇、濱離宮に臨幸(アメリカ前大統領グラント将軍を引見し給う)
- 8月25日
- 車駕上野公園に臨幸し、犬追物天覧(アメリカ前大統領グラント将軍陪観する)
- 8月31日
- 皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)御降誕
- 9月15日
- 製茶共進会を初めて横浜に開催(産業一種目の共進会はこれを端となす)
- 9月29日
- 文部卿寺島宗則、教育令布告(学制廃止)
- 10月13日
- 侍補職を廃止する
- 10月27日
- 徴兵令改正(免役条項を縮小、軽重輸卒を説く)
- 10月28日
- 水上警察を東京に開設
- 11月1日
- 横浜に生糸の共進会開催
- 11月7日
- 愛国社第3回大会開催、国会開設請願を決議する
- 11月11日
- 萩原鑛場に最初の石油輸送鉄管竣工(それまでは樽に石油を容れ人夫に運ばしていた)
- 11月22日
- 道元に承陽大師と諡す
- 12月20日
- 青森県尻屋崎燈台に霧笛を設ける
- 12月26日
- 東京日本橋京橋の大火(約1万戸焼失)
生活の話題
衣
- 千住製絨所成り、毛糸の生産も始まる
- 印刷局抄紙部でカセイソーダの製造はじまり洗濯石鹸もつくる(明治14年に廃止)
- 唐チリメン(メリンス)の輸入が盛ん
食
- 北海道紋別に製糖所設置
- 東京小石川興農社で各種の缶詰をつくり利益をあげる
- 広島の博進社缶詰製造をはじめ、日清戦争以来牛肉缶詰盛んになる基となる
その他
- 梟首刑廃止
- 府県会開始
- 印刷局が、懐中日記を発行
- 国立銀行150行に達する
- 大阪に硫酸製造会社設立
この年のポイントまとめ
✔ 沖縄県が設置された
✔ 日本の領土が現在に近づいた
✔ 中央集権体制が強化された
✔ コレラ流行により公衆衛生の課題が浮き彫りになった
「国家の形と社会の課題が同時に見えた年」
