この年の重要キーワード
コレラ騒動
コレラ予防をめぐる騒動。近畿・東海・北陸・関東の各地で多発。避病院への収容、果物、魚類の販売禁止など強制的なコレラ予防対策に対する反発が要因。コレラ流行に対する恐怖と不安から動揺や流言も広まるが、衛生行政の確立に伴い終息。
教育令
学校教育に関する法令。1872年(明治5年)の学制による画一的学校制度が地方の実情に合わず行き詰まったため、アメリカの制度を取り入れ、学校の設立や教育方針を自律的に決定できるようにした。そのため自由教育令ともいう。
出来事・事物起源・話題
- 1月25日
- 大阪朝日新聞創刊される
- 1月29日
- 万国電信条約に加盟し、外国電信業務を開始
- 3月12日
- 最初の内閣書記官長に中村弘毅を任命(内閣書紀官設立は3月10日)
- 3月14日
- 松山にコレラ発生、全国に広がる
- 3月20日
- 東京府会開会(府県会規則による府県会の最初)
- 3月27日
- 愛国社第二回大会開催
- 3月28日
- 初めての蓄音機の吹込(東京商法会議所において福知桜痴による)
- 4月4日
- 琉球藩を廃止、沖縄県とする
- 5月9日
- 官吏の公開の場での政談演説を禁止する
- 5月13日
- 陸軍幕僚参謀条例を定める
- 5月15日
- 山林局を内務省に設置
- 6月4日
- 東京招魂社を別格官幣社とし、靖国神社と改称(内務・陸軍・海軍3省の管理とする)
- 6月27日
- コレラ予防法定める
- 7月3日
- アメリカ前大統領グラント将軍夫妻来日
- 7月4日
- 来日中のアメリカ前大統領グラント将軍来朝参内する
- 7月10日
- 東京大学卒業生に初めての学位(学士号)授与する(医学本科18名、製薬本科19名の計37名)
- 7月16日
- 日本最初の考古学研究書完成(モールスの「大森貝塚研究報告」)
- 8月1日
- 日本最初の損害保険会社開業(東京海上火災保険会社)
- 8月10日
- 明治天皇、濱離宮に臨幸(アメリカ前大統領グラント将軍を引見し給う)
- 8月25日
- 車駕上野公園に臨幸し、犬追物天覧(アメリカ前大統領グラント将軍陪観する)
- 8月31日
- 皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)御降誕
- 9月15日
- 製茶共進会を初めて横浜に開催(産業一種目の共進会はこれを端となす)
- 9月29日
- 文部卿寺島宗則、教育令布告(学制廃止)
- 10月13日
- 侍補職を廃止する
- 10月27日
- 徴兵令改正(免役条項を縮小、軽重輸卒を説く)
- 10月28日
- 水上警察を東京に開設
- 11月1日
- 横浜に生糸の共進会開催
- 11月7日
- 愛国社第3回大会開催、国会開設請願を決議する
- 11月11日
- 萩原鑛場に最初の石油輸送鉄管竣工(それまでは樽に石油を容れ人夫に運ばしていた)
- 11月22日
- 道元に承陽大師と諡す
- 12月20日
- 青森県尻屋崎燈台に霧笛を設ける
- 12月26日
- 東京日本橋京橋の大火(約1万戸焼失)
生活の話題
衣
- 千住製絨所成り、毛糸の生産も始まる
- 印刷局抄紙部でカセイソーダの製造はじまり洗濯石鹸もつくる(明治14年に廃止)
- 唐チリメン(メリンス)の輸入が盛ん
食
- 北海道紋別に製糖所設置
- 東京小石川興農社で各種の缶詰をつくり利益をあげる
- 広島の博進社缶詰製造をはじめ、日清戦争以来牛肉缶詰盛んになる基となる
その他
- 梟首刑廃止
- 府県会開始
- 印刷局が、懐中日記を発行
- 国立銀行150行に達する
- 大阪に硫酸製造会社設立