この年の重要キーワード
版籍奉還
諸藩主が土地(版図)と人民(戸籍)を朝廷に返上したこと。封建制度の解体をめざす木戸孝允や大久保利通らによって推進。薩・長・土・肥4藩主による建白が諸藩を誘引し、断行に至った。旧藩主は改めて知藩事に任命された。
出来事・事物起源・話題
- 1月1日
- 日本最初の洋式燈明台を三浦半島・観音崎に開設
- 1月10日
- 安房国の野島岬灯台竣工する
- 1月10日
- 日独修交通商航海条約成り調印
- 1月14日
- 横浜港に初めて燈台竣工
- 1月20日
- 薩長土肥藩主、版籍奉還を上奏
- 1月20日
- 諸道の関門、関所廃止を布告
- 1月23日
- 薩長土肥の四藩、率先して版籍奉還(これより各藩これに倣って奉還する)
- 2月3日
- 毛利元就に豊栄神社を賜号
- 2月5日
- 造幣局を設置(金銀座廃止)
- 2月8日
- 新聞紙印行条例(新聞紙刊行初めて許される)
- 2月22日
- 諸開港場に通商司を設置
- 2月24日
- 太政官を京都より東京に移す
- 3月7日
- 最初の議事院たる公議所、東京で開催(諸藩より約220名参加、切腹の禁止、帯刀廃止などを討議)
- 3月8日
- 造幣局を大阪の川崎に創設
- 3月9日
- 函館討伐の官軍、品川を発す(黒田清隆、山田顕義ら軍艦及び運送船8隻に分乗)
- 3月10日
- 名主の制廃止
- 3月12日
- 伊勢大神宮へ天皇御親拝の始(明治天皇が伊勢へ行幸、内宮外宮御親拝)
- 3月20日
- 府県に小学校を設け、また東京府に中小学校取調掛を設ける
- 3月20日
- 朝廷修史のため史料編纂国史校正局を九段上旧和学講談所に設置(東京帝大史料編纂掛の始)
- 3月25日
- 宮古湾海戦(幕府残党軍によるストーンウォール号奪還事件)
- 3月28日
- 明治天皇、再び東京へ
- 3月30日
- 久我通久を函館鎮撫総督に任じ、軍艦「朝陽丸」にて差遣を命ぜられる
- 4月15日
- 両替町を改称し銀座に
- 4月24日
- 官軍の船艦8隻、函館港にて幕府残党の船艦と戦う(勝敗決せず)
- 4月29日
- 陸海軍のため軍律制定される
- 5月9日
- 日本で初めてアイスクリームが製造販売される
- 5月11日
- 函館において官軍海陸相呼応し、幕府の残党軍と戦いこれを撃破する(土方歳三、戦死)
- 5月13日
- 議政官を廃し、輔相・議定・参与を行政官におく
- 5月18日
- 五稜郭が落城(榎本武揚、部下の命乞いをして官軍に降り、函館戦争平定)
- 5月21日
- 京都に日本初の公立小学校開校(現在の柳池中学校)
- 6月4日
- 蝦夷開拓督務(北海道庁官の前身)として鍋島直正を任命
- 6月12日
- 室蘭、函館らの賊徒、悉く平定
- 6月15日
- 東京の昌平校を改めて大学校となし、開成医学の二校を附属する
- 6月17日
- 諸藩の版籍奉還の勅許あり、公卿、大名らの称を廃し、華族と改める
- 6月19日
- 東京九段に靖国神社造営起工
- 6月21日
- 明治政府としては最初の渡航免状が下付(佐藤進、横浜を出帆しドイツへ向う)
- 6月25日
- 藩知事家臣を士族と称し、農工商民を平民とする
- 6月28日
- 明治天皇、群臣を率いて神祇局に臨み、国是一定を天神地祇、皇祖の霊に告給う
- 6月29日
- 九段に招魂社創建、戊辰戦争戦死者を祀る(1879年靖国神社と改称)
- 7月7日
- 公議所を廃し、衆議院設立
- 7月8日
- 政府官制を改革し、神祇官・太政官・民部省・大蔵省・兵部省・刑部省・宮内省・外務省および開拓使・衆議院そのほかを設置、行政官・6官・上局会議を廃止(二官六省の制)
- 7月10日
- 銭価を定め10貫文を1両とする
- 7月17日
- 太政官令にて三府の外、県と称す
- 7月25日
- 定期蒸気船初めて東京・横浜間に運輸を開始(毎日2回運輸、片道賃金100匹)
- 7月29日
- 明治最初の盛大な能楽が、赤坂の紀州藩邸で演じられる
- 8月1日
- 日本最初の鉄橋が、長崎の浜町通りに竣工
- 8月9日
- デンマークに注文の電信敷設用の諸機械、横浜に到着
- 8月12日
- 民部、大蔵の二省合併される
- 8月13日
- 医学校(東京大学医学部の前身)において最初の人体解剖行われる
- 8月15日
- 蝦夷地を北海道と改称
- 8月20日
- 明治新政府、東京市内の地所約916万6,770坪を民間に払下げを行う
- 8月25日
- 菊花御紋章の制定められる
- 9月4日
- 兵部大輔大村益次郎、京都で襲撃される(11月5日死亡)
- 9月14日
- オーストリアと通商航海条約調印
- 9月18日
- 東京築地に海軍操練所を開所(海軍兵学校の前身)
- 10月2日
- 政府、海軍はイギリス式、陸軍はフランス式と定める
- 10月7日
- 庶民の西洋型船舶所有許される
- 10月22日
- 西周、兵部省に出仕(以後、陸軍軍制の整備・軍人勅諭の制定などに参画)
- 10月23日
- 無提灯の夜行を禁止
- 11月4日
- 海軍操練所を海軍兵学寮、大阪兵学寮を陸軍兵学寮と改称
- 11月4日
- 大阪造幣寮が火事
- 11月5日
- 大村益次郎、逝く
- 11月10日
- 政府鉄道布設のことを決議する
- 11月19日
- 金銀銅の自由貿易を禁ず
- 12月2日
- 禄制を定め藩士の俸禄を削減する
- 12月17日
- 大学校を大学、開成所を大学南校、医学校を大学本校と改称する
- 12月21日
- 安房の野島崎に西洋式燈台竣工点火する(相州観音崎燈台に次ぐ西洋式燈台)
- 12月24日
- 外務大臣丸山作楽など、樺太にてロシア代表と日露境界を談判(容易に決せず)
- 12月25日
- 東京・横浜間電信開通、伝信局を置き、通信規則・料金を定め、公衆電報の取扱開始
生活の話題
衣
- 森有礼、廃刀論に物議をかもす
- 大村益次郎廃刀論、兵制改革の主唱者なりとて暗殺される
- 松村庄三郎、銀座に散髪店を開く
- 『敬蒙知恵の輪』出版、その中に背広の語をみる
- 百姓町人の苗字帯刀廃止
食
- 安南・サイゴン米輸入、米価下がる(2月より)
- 通商司、築地牛馬会社設立、搾乳と牛の屠殺始める
- 風月堂、パンを売り始める
- 東京に牛鍋屋の開業多し
- 千葉県の角田某、養豚を奨励し、その建白をなす
住
- 芝海軍所の洋風建築なる
その他
- 関所廃止
- 小学校創始
- 東京市中、名主・自身番廃止
- 東京市中、月行事・五人組廃止
- 版籍奉還・知事の制・華族・士族・平民の別を定める
- 東京府種痘施行
- 秋葉大助、人力車製造場開設
- 諸街道三十六町を一里とする
- 金・銀・銅、自由売買禁止
- 府藩県の紙幣私製禁止
- 京浜間電信開通
- 京浜間乗合馬車始まる