1884年(明治17年)の出来事

今から140年前の出来事

この年の重要キーワード

華族令

伊藤博文は宮中の制度化、帝国議会での上院の母体、皇室の藩屏といった華族制度の制定に着手。井上毅が起草した。公侯伯子男の五爵を制定し、門閥や勲功によって授爵することが定められた。

加波山事件

自由民権運動激化事件のひとつ。河野広躰ら自由党急進派が、福島・栃木県令の三島通庸暗殺を計画したが失敗。茨城県の加波山で栃木県庁を襲おうと蜂起するが、全員捕縛された。 

秩父事件

埼玉県秩父地方で起きた自由党員・貧窮農民による武装蜂起事件。松方デフレの影響を受けた負債農民は、返済条件の緩和を求め債権者や郡役所に請願するが、いずれも却下、蜂起へと発展した。一時大宮郷(秩父市)を占拠するが、軍隊・憲兵に鎮圧された。

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出来事・事物起源・話題

1月4日
官吏の恩給令公布
1月9日
大阪市東区の大火(1,440戸焼失)
1月23日
近衛兵に軍旗を授与する
2月15日
朝鮮に初めて電信取扱開始(日本の経営にて内地釜山局間に限られる)
2月16日
陸軍卿大山巌、川上操六・桂太郎両大佐を従え、欧州兵制視察のため横浜出発
2月17日
梅ケ谷藤太郎、横綱となる
3月10日
芝浜離宮の延陵館に天覧相撲催され初代梅ケ谷に横綱を許される
3月15日
地租条約制定(税率の固定、法定地価の決定)
3月17日
憲法制定取調局設置され、参議伊藤博文が長官を兼ねる
4月2日
明治天皇・皇后、隅田川に海軍兵のボート競漕を観覧
4月7日
山本長五郎(清水次郎長)、賭博で懲役7年、罰金400円に処せられる
5月1日
大阪商船会社創立開業する
5月7日
区町村会法改正、戸長官選となる
5月12日
フランスの化学者シャルドネにより人造絹糸発明され学会に発表報告
5月13日
群馬事件起こる
5月17日
東京帝国大学に造船科新設される
5月24日
学習院、初代院長に谷干城を任命
5月27日
蒸気起重機を初めて横浜停車場の荷揚場に建設し、運輸に便ならしめる
6月1日
天気予報を巡査交番所に掲示開始
6月7日
商標に関する条例制定
6月12日
鹿鳴館で日本初のバザー
6月16日
全国天気予報開始
6月25日
日本薬局方制定公布される
6月26日
陸地測量事業、参謀本部に管轄統一される
7月7日
華族令定める(爵位公・侯・伯・子・男の五位の制成る)
7月21日
横須賀造船所の開渠式
7月26日
ハワイホノルルに領事館設置
7月28日
京都二条城を離宮と定めらる
8月10日
自由党有一館設立される
8月10日
武州御殿峠に困民党蜂起
9月5日
宇品港(広島港)の築港着手
9月23日
茨城県下自由党の加波山事件起こる
10月10日
相州観音崎の砲台成る
10月13日
グリニッジの世界標準時定める
10月17日
学生ボート競漕、隅田川吾妻橋付近に催される(最初のボートレース)
10月18日
巡洋艦「畝傍」フランスより回航の途につく(12月3日にシンガポールを発ったのち消息不明)
10月29日
自由党解党
10月31日
秩父事件起こる(国民党が一斉に蜂起)
11月1日
明治天皇、不忍池畔競馬場臨幸
11月6日
内村鑑三、離婚を機に渡米する
12月4日
甲申事変(ソウルで金玉均、朴泳孝ら親日派によるクーデターが起こる)
12月4日
飯田事件(名古屋鎮台・監獄襲撃の計画)発覚する
12月6日
京城にて竹添公使の守兵、清国袁世凱の兵2,000と王宮の内外に衝突
12月15日
横須賀に鎮守府開設布告
12月17日
大隈重信ら改進党を脱党、名古屋事件(政府転覆の計画)発覚する
12月24日
外務卿井上馨を朝鮮に遣して談判
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生活の話題

  • 官吏の服制定まる
  • 鹿鳴館時代はじまり上流婦人の洋装はやる
  • 織物不況の時であるが綿ネル生産のみは高まる
  • 都市で首巻すたれ、肩掛はやる
  • バリカンが輸入され始める
  • 経木真田帽子の製作はじまる
  • 足利・桐生に染色講習所をおく
  • 紡績業深夜業開始

  • 三田育種『舶果来樹要覧』を刊行
  • 摂津能勢で天然炭酸水を利用し平野水の製造を始める
  • 大阪師団で白米病といわれる脚気患者多く、麦飯にあらためる

  • 宮城県古川町で土管により小規模の上水道竣工

文学

  • 坪内逍遥訳『自由太刀余波鋭鋒』(じゆうのたちなごりのきれあじ)刊(5月)
  • 井上勤訳『狐の裁判』刊(7月)
  • 円朝作『怪談牡丹灯籠』刊

その他

  • 官吏恩給令制定
  • 大阪商船会社開業
  • 上野・熊谷間鉄道開通
  • 佐久間貞一、活版工組合設立
  • 長崎・静岡・宮城県に紡績所創立
  • 小坂・十和田鉱山・赤城炭鉱開掘
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