1881年(明治14年)の出来事

今から143年前の出来事

この年の重要キーワード

開拓使官有物払下げ事件

北海道開拓使の官有物を特定の官僚・政商に安価で払い下げようとして、世論の批判を受けて中止した事件。10年計画の満期にあたり、1,400万円を投じた事業を開拓使長官・黒田清隆が38万円程度で同郷人の政商・五代友厚らに売却しようとしたため、政治問題化した。

明治14年の政変

参議大隈重信とその勢力を政府内部から追放した政変。7月伊藤博文・岩倉具視らは大隈の急進的な意見書(早期国会開設論など)の「密奏」に反発し、斬新的立場からドイツ諸邦流欽定憲法の導入を主張。10月伊藤らは、開拓使官有物払下げ事件にも関与したとして大隈らの罷免を決行した。

出来事・事物起源・話題

Advertisements
1月4日
警察庁再設置
1月14日
東京に警視庁を設け憲兵を置く
1月15日
初代の警視総監として陸軍少将樺山資紀任命される
1月17日
明治法律学校(現在の明治大学)、東京麹町有楽町に開校(校長岸本辰雄)
1月26日
東京の大火(神田より深川に延焼し、1万5,200戸を焼失)
2月11日
東京神田大火(7,700戸焼失)
2月21日
東京四谷の大火(四谷箪笥町より出火して1,500戸焼失)
3月11日
憲兵本部を東京に創設し、憲兵中佐三間正弘を部長に任命する
3月12日
ロシア皇帝アレクサンドル二世暗殺される
3月27日
越後出雲崎の大火(約540戸焼失、死者26名)
4月5日
大日本農会、東京に創立
4月7日
農商務省を置き、外務卿河野敏鎌を農商務卿に任命する
4月25日
陸前福島の大火(約1,780戸焼失)
4月26日
初めて列国の使臣を招いて、吹上御苑に観桜御会を開く
5月27日
横須賀軍港にて初めて敷設水雷を実験(天覧に供し柴山中佐説明)
5月31日
勤王家蒲生君平に正四位を追贈
6月17日
小学校教員心得を制定する
7月2日
パストゥール、予防注射に成功
7月6日
岩倉具視、憲法制定意見具申
7月9日
明治生命保険会社創業(最初の生命保険会社)※設立は7月8日
7月21日
黒田清隆、北海道開拓使官有物の払下げ計画を太政大臣に申請す
7月29日
北海道官有物を関西貿易商会に払下げ決定
7月30日
明治天皇、東北、北海道巡幸御発輦
8月1日
開拓使官有物払下げ事件起こる
8月2日
「学生」の称の始り(東京大学本科生に限り「学生」と称する、他の小学生から大学生は「生徒」と称す)
8月20日
勅を奉じて編纂せる元田永孚の修身教科書『幼学綱要』刻本完成する
10月9日
黒田清隆、大隈重信の国会開設早急論に反対し、三条実美に趣意書提出
10月11日
大隈重信、参議を罷免(明治14年の政変)
10月12日
北海道官有物払下げ中止(明治14年の政変)
10月12日
明治天皇、来る明治23年を期して、国会を開設する旨の詔書を下し給う
10月18日
自由党結成 初の政党
10月21日
官制改革太政官に参事院設置
10月21日
松方正義を参議兼大蔵卿、佐々木高行を参議兼工部卿に、陸軍大山巌・海軍川村純義を参議兼任に任命
10月29日
東京にて政党自由党の結党式

生活の話題

  • 地方の町村に靴を履く者が出てくる

  • 牛乳配達始まる
  • 東京に粉ミルク・バターの製造始まり、その売捌店は市内13軒をかぞえる
  • 第2回内国勧業博覧会に11道府県より缶詰の出品あり、殆ど魚介を材料とした、また2府3県から琺瑯(ほうろう)品が出品された、これは鍋等の飲食器である
  • 東京湾の金沢にカキの移植がなされる
  • 芝日影町で日本人のラムネ製造始まる

  • 東京下町1月と2月に重ねて大火あり、火災後内地釘が間にあわぬため西洋釘を輸入、にわかに洋釘使用が普及する

その他

  • 東京職工学創立
  • 小学校で体操と唱歌を正科とする
  • 竹器の輸出盛ん
  • 船会社運賃協定をはかる
  • 二人乗自転車につき東京の新聞珍しげに記事をかかげる
  • 大阪鉄工所・小野田セメント・日本鉄道・大日本農会など設立
スポンサーリンク