1889年(明治22年)の出来事

今から137年前の出来事

憲法発布式

1889年(明治22年)は、日本が近代国家としての制度を完成させ、「憲法国家」として正式にスタートした歴史的な年です。

これまで明治政府は、西洋をモデルに制度整備を進めてきましたが、この年ついに大日本帝国憲法が発布され、日本は立憲国家としての形を整えました。

同時に、鉄道の全通や産業の発展などにより、国家としての基盤も強化されていきます。

つまり1889年は、「制度と実力の両面で、近代国家として完成した年」といえます。

1889年の重要出来事【まずここだけ読めばOK】

■ 大日本帝国憲法の発布

2月11日、大日本帝国憲法が発布され、日本は立憲君主制国家となりました。
天皇を中心とした統治体制のもと、帝国議会の設置など近代国家としての枠組みが整えられます。
日本が“憲法国家”として正式にスタートした決定的な出来事です。

■ 東海道本線の全通

新橋〜神戸間の鉄道が全通し、日本の大動脈となる交通網が完成しました。
これにより人や物資の移動が飛躍的に効率化し、経済の発展が加速します。
日本の近代経済を支えるインフラが完成した瞬間です。

■ 条約改正問題の激化

不平等条約の改正をめぐり、国内で激しい議論と反対運動が起こりました。
大隈重信の条約改正案は強い反発を受け、暗殺未遂事件にまで発展します。
外交問題が国内政治を揺るがす大きな要因となりました。

■ 政治体制の再編(山県内閣成立)

年末には山県有朋内閣が成立し、政治体制が再編されました。
憲法体制のもとでの新たな政治運営が始まります。

■ 産業・社会の発展

鉱山の民間払い下げや鉄道網の整備など、産業の近代化がさらに進みました。
日本は経済的にも自立した国家へと近づいていきます。

この年は何が変わったのか

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1889年は、日本が「近代化を進める国家」から「完成した近代国家」へと移行した年です。

それまでの日本は制度の整備段階にありましたが、この年、
・憲法の制定
・議会制度の準備
・全国交通網の完成
といった要素がそろい、国家としての骨格が完全に整いました。

これはつまり、「国家のルールと仕組みが完成し、近代国家として自立した」ことを意味します。

一方で、条約改正問題に見られるように、国際社会の中での立場はまだ完全ではなく、課題も残されていました。

つまりこの年は、「近代国家として完成しつつも、次の課題に直面した年」です。

この流れは、1890年の帝国議会開設へとつながり、日本は本格的な議会政治の時代へと進んでいきます。

この年の重要人物

1889年は大日本帝国憲法の発布によって、日本が立憲国家として正式にスタートした年です。この国家体制の完成を動かした人物を整理します。

■ 憲法制定・国家設計

  • 伊藤博文
    憲法制定の中心人物として大日本帝国憲法を起草し、日本の国家体制を設計した
  • 井上毅
    法制度の整備に関与し、憲法制定を支えた
  • 金子堅太郎
    憲法調査に関わり、制度設計に貢献した

■ 政治・政府運営

  • 山県有朋
    内閣総理大臣として憲法体制下の政治運営を担った
  • 黒田清隆
    前政権として近代国家体制の整備を進めた

■ 国家の象徴

  • 明治天皇
    憲法を発布し、日本の近代国家成立を象徴する存在となった

■ 外交・政治課題

  • 大隈重信
    条約改正を進める中で国内の強い反発を受け、政治問題の中心となった

出来事・事物起源・話題

1月16日
水戸・小山間の鉄道開通
1月23日
三池鉱山を三井に払い下げる
1月23日
徴兵令改正(徴兵猶予の制度廃止)
1月25日
石川島造船所、会社組織に改組発足
2月11日
大日本帝国憲法発布(立憲君主国の仲間入り)
2月11日
文部大臣森有礼刺殺される
2月11日
西郷隆盛へ、正三位を追贈
2月11日
「万歳三唱」が決まる
2月12日
黒田首相、地方長官に超然主義の方針を訓示
2月13日
日海軍治罪法公布
2月20日
紀淡海峡の砲台竣工
3月4日
清国、徳宗親政治始まる
3月31日
佐渡、生野の両鉱山、帝室財産に編入され、御料局支庁に属す
4月16日
メートル法条約に加盟する
4月16日
静岡・浜松間の鉄道竣工して、ここに初めて東海道全線の開通を見る
4月19日
大隈外相の条約改正案ロンドンタイムズに掲載され、以後反対世論高まる
4月21日
民法財産編公布
4月26日
法学、立法事業の恩人フランスボアソナード、帰国のため参内(御暇乞い)
5月9日
正岡子規、常盤会寄宿舎で血を吐く
5月11日
東京乗合馬車会社創立す
5月16日
帝国博物館(東京、京都、奈良)官制成り、博物館総長に九鬼隆一を任命
5月21日
最初の市会議員選挙、東京において本日より3日間行われる
5月28日
地久節の御儀初めて行われる
6月8日
市制実施後、最初の東京市会を開く
6月10日
第1回貴族院多額納税議員選挙
6月16日
横須賀線鉄道開通
6月20日
富山県伏木に米騒動
7月1日
呉、佐世保の南鎮守府開庁
7月1日
山梨県甲府に市制実施される
7月1日
東海道本線全通(新橋・神戸間鉄道全通)
7月15日
第2インター結成
7月24日
艦隊条令公布により、常備艦隊を編成
7月30日
第一回条約改正内閣会議
8月25日
条約改正反対派、東京にて大演説会を開く
9月11日
商業会議所条令公布
10月2日
第1回汎米会議
10月7日
海軍旗章条例により、それまで日章旗であったものが旭日旗に統一される
10月8日
逓信大臣後藤象二郎、条約改正問題を以て国家の不利とし、反対の旨を奏上する
10月11日
枢密院議長伊藤博文、大隈外相の条約改正案に反対し辞表を提出
10月13日
富山県魚津で米騒動
10月15日
御前会議で条約改正を議す
10月18日
大隈重信外相、暗殺未遂(玄洋社社員来島恒喜に襲われ負傷、条約改正中止)
10月20日
元老院廃止
10月21日
黒田首相辞表を提出
10月24日
黒田首相以下大隈外相を除く各大臣、辞表を提出
10月25日
内大臣三条実美内閣総理大臣を兼職する
11月3日
嘉仁親王、立太子式
11月10日
歌舞伎座、木挽町に開場
11月18日
北海道炭鉱汽船会社・鉄道会社創立
11月30日
地租改正条例公布される
12月10日
閣議にて、条約改正交渉延期決定される
12月13日
四条畷神社、別格官弊社に列格
12月19日
板垣退助、旧自由党員ら大阪で愛国公党を結成
12月24日
大隈重信外相、辞任
12月24日
第一次山県有朋内閣成立

総理大臣

黒田清隆(明治21年4月30日~明治22年10月25日)

三条実美(明治22年10月25日~明治22年12月24日)※内大臣兼任

山県有朋(明治22年12月24日~明治24年5月6日)

生活の話題

  • 警察官・消防官帯剣制定
  • 服飾に復古的な傾向強く現れ始め、日本髪用品の売れゆき良くなる

  • フランスの万国博覧会に上菱ビール出品される

  • 凾館水道竣工
  • 東京石工組合認可
  • 木挽町に歌舞伎座建つ
  • 大阪電燈、京都電燈、名古屋電燈、それぞれ開業
  • 福島県郡山水道会社開業
  • 年末、神奈川県、石油貯蔵規則を発布し、石油小売商人困難となる

文学

  • 『史学雑誌』創刊(12月)

その他

  • 徴兵令改正(一年志願兵制度)公布
  • 鉄道一千哩記念祝賀会
  • 東海道鉄道全通
  • 新聞・雑誌の郵税半額となる
  • 九州鉄道開業
  • 横須賀線開通

この年のポイントまとめ

✔大日本帝国憲法の発布により、憲法国家が成立した
✔東海道本線の全通で、国内の経済基盤が完成した
✔条約改正問題で外交と国内政治が衝突した
✔山県内閣成立で新たな政治体制が始まった
✔日本は「制度整備」から「近代国家の完成」へと進んだ

1889年は、日本が近代国家として完成し、世界の中で存在感を持ち始めた重要な年です。
この年を理解することで、1890年の帝国議会開設と、その後の国家運営の流れがより明確に見えてきます。

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