この年の重要キーワード
学制
日本初の近代的学校制度に関する法令。大中小の学区制や学費などについて規定した。従来の身分制に立脚した学校制度を廃し、全国民が就学すること、実学主義、個人の立身出世などをうたうが、実際の民衆生活と乖離し、1879年(明治12年)廃止。
出来事・事物起源・話題
- 1月2日
- 外国公使(英・米・独・仏・伊・西・蘭)参内し、新年の賀詞を述べる(外国大使参内拝賀の恒例となる)
- 1月4日
- 軍人勅諭下賜
- 1月6日
- 榎本武揚、函館戦争の罪により入獄中、黒田清隆の助命運動により出獄
- 1月8日
- 明治天皇、日比谷門外の操練場で行軍式を御閲兵
- 1月20日
- 官制改革により、勅任官・判任官・奏任官に新制度定める
- 1月24日
- 明治天皇、牛肉を初めて召上る
- 1月25日
- 岩倉大使・グラント米大統領会見
- 1月26日
- 全権岩倉具視、アメリカに国書を手交する
- 1月29日
- 初の全国戸籍調査、総人口331万825人
- 2月2日
- 北京に初めて公使館を設ける(初代公使に柳原前光)
- 2月15日
- 土地永代売買の禁を解く
- 2月18日
- 海陸軍の刑律を領布
- 2月21日
- 「東京日日新聞」創刊
- 2月26日
- 東京築地・銀座の大火(約4,000戸焼失、この火事により「銀座煉瓦街」の都市計画が始まる)
- 2月28日
- 兵部省を廃し、陸軍省・海軍省を設置
- 3月5日
- 日本初の万国博覧会開催
- 3月5日
- 最初の陸軍中将に山県有朋任命
- 3月7日
- 特旨にて榎本武揚の罪を赦す
- 3月9日
- 親兵を廃して、近衛兵をおく(薩長土の三藩の兵約1万)
- 3月11日
- 日本人による初のキリスト教会横浜に設立
- 3月12日
- 東京・大阪・鎮西・東北の鎮台条例を定める
- 3月27日
- 高野山(金剛峯寺)の永年の伝統であった「女人禁制」が初めて解かれる
- 3月28日
- 太政官布達により、自今開港場県庁に国旗(日章旗)を掲揚すべしと令す
- 3月29日
- 太政官令により、入墨を禁ずる
- 4月2日
- 日本初の近代的図書館「書籍館」が開館
- 4月5日
- 女子の断髪を禁ず
- 4月9日
- 庄屋、名主、年寄等の制を廃し、新たに戸長、副戸長を置いてこれに代わらしむ
- 4月11日
- 東京に初めて女学校開校(俗に女紅場、あるいは英学校と称せられる)
- 4月24日
- 日曜日休暇の制定まる
- 4月25日
- 僧侶の肉食妻帯を許す
- 5月5日
- 食用氷初めて市場に現わる
- 5月7日
- 東京・横浜間鉄道仮開通
- 5月10日
- 勝海舟、海軍大輔に任ぜられる
- 5月17日
- 特命全権副使大久保利通、伊藤博文再びアメリカへ赴く(寺島宗則はイギリスへ)
- 5月23日
- 明治天皇、西国へ巡幸のため品川湾より軍艦「龍驤」に召され発途
- 5月24日
- 兵庫楠木神社を湊川神社と改称し、最初唯一の別格官弊社に列格する
- 5月29日
- 初めて師範学校を東京に開設する(東京師範学校の前身)
- 6月1日
- 東京に報知新聞創刊
- 6月4日
- マリア・ルース号事件
- 6月5日
- 群馬県富岡製糸工場開設(農商務省経営、官営最初の製糸場として絹糸国産発展の端となす)
- 6月14日
- 明治天皇御巡幸、長崎入港
- 6月21日
- 山内容堂(豊信)死去
- 6月24日
- 文部卿大木喬任により教育行政方針九箇条領布
- 6月24日
- 北海道手宮港を小樽と改称
- 7月1日
- 大阪税関の前身運上所設立
- 7月19日
- 参議西郷隆盛、陸軍元帥となり、近衛都督を兼任する
- 7月30日
- 井上馨、人身売買の廃止を正院に建白し、同時に人権の自由を説く
- 8月3日
- 近代教育発程の第一歩たる「学制」を制定(学区制と就学奨励)
- 8月5日
- 水戸に鎮台分営を設ける
- 8月10日
- 天保山及び和田岬燈台竣工する
- 9月7日
- 東京・大阪間の電信開通す
- 9月12日
- 新橋・横浜間鉄道開業式(鉄道記念日)
- 9月14日
- 琉球王昌泰、藩主に封ぜられる
- 9月24日
- 日本最初のガス燈、横浜に点火(東京は翌々年12月18日点火)
- 9月24日
- メートル原器制定
- 10月2日
- 人身売買の禁令布告される
- 10月3日
- 新橋・横浜間鉄道専用電信開設
- 10月4日
- 富岡製糸場、操業開始(「富国強兵」の旗印、模範官営工場スタート)
- 10月10日
- 北海道居住者奨勧に10年間免税
- 10月14日
- 新橋・横浜間鉄道開通
- 11月4日
- 蚕種原紙、大蔵省にて制定
- 11月5日
- 礼服に洋服を採用
- 11月9日
- 明治政府、陰暦を廃し太陽暦採用を発表(12月3日を以て、明治6年1月1日と定める)
- 11月12日
- 大礼服、通常礼服の制定められる
- 11月15日
- 国立銀行条例を定め銀行設立許可
- 11月15日
- 神武天皇即位の年を紀元元年と制定
- 11月23日
- 司法卿江藤新平、司法大輔福岡孝悌の両人が、「妾廃止」の建議案を提出(却下)
- 11月23日
- 大相撲、女性に見物を許可する
- 11月28日
- 運上所、税関と改称
- 11月28日
- 徴兵令発布(全国男子28歳に達する者を兵籍に編入)
- 11月30日
- 初のサッカー公式国際試合
- 12月1日
- 国民皆兵に関する詔勅下る
- 12月2日
- 太政官布達人身売買禁止令
生活の話題
衣
- 鉄道職員の制服を定める
- 婦人の漸髪禁止令出る
- 西洋婦人築地で洋裁教授をなすの新聞広告あり
- 各県で服通常礼服を西洋式に定める、ただしこれの無い者は当分直垂、裃のこと
- 東京市散髪所およそ3,000軒
- 書生の羽織大流行
- 袴をはいた女書生現れて物議をかもす
- 西村製靴工場の分場で軍靴製造を始める
- 東京大森で麦わら真田帽子製造着手
- 東京府、男女混浴文身等禁止
食
- 米・豆その他雑穀で油をとることを許可される
- 敦賀県、肉食奨励の諭達を出す
- 近藤芳樹著『牛乳考』『屠畜考』、仮名垣魯文の『西洋料理通』出版
- 北海道開拓使、桜桃その他の果物の苗を移入
住
- 東京府煉瓦造家屋建築に関する規定を公布
- 官舎払下規則・第舎貸渡規則公布
- 横浜外人居留地・横浜馬車道・本町通にガス燈竣工
- 石油ランプの使用普及し出火の原因となる注意書が出る
その他
- 永代土地売買許可
- 庄屋名主を廃止、区長・戸長をおく
- 品川・横浜鉄道開通
- 飛脚の信書通信、東京で跡を断つ
- 伝馬・助郷廃止
- 農民の商業許可
- 私に姓名家号の改称を廃止
- 学制発布
- 新橋・横浜間鉄道開通
- 人身売買類似の年期奉公を解除、年期一年に限る
- 歯みがき粉の新聞広告出る
- 徴兵の詔発布
- 東京府、太政官に国旗掲揚に付き伺書を出す
- 大阪府、右側通行等交通整理を布告
- 改暦の詔発布
- 東京・京都間電信線架設
- 富岡製糸・鹿島紡績成る