1885年(明治18年)は、日本の政治体制が大きく転換し、近代国家としての仕組みが整い始めた年です。
この年、太政官制に代わって内閣制度が創設され、伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任しました。これにより、日本は本格的に近代的な政府体制へと移行していきます。
つまり1885年は、「内閣制度が始まり、近代国家としての政治体制が確立へ向かった年」といえます。
この年の重要出来事
- 太政官制度が廃止され、内閣制度が創設された
- 伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任した
- 日本の政治体制が近代国家型へと大きく転換した
この年は何が変わったのか
1885年(明治18年)は、日本の政治制度が根本から見直され、近代国家としての政府の形が完成した年です。
内閣制度の創設
1885年、従来の太政官制度が廃止され、新たに内閣制度が導入されました。
内閣総理大臣と各大臣からなる政府組織が整えられ、政策決定の仕組みはより近代的な形へと変わっていきます。
伊藤博文の初代内閣総理大臣就任
同年、伊藤博文が初代内閣総理大臣に任命され、第1次伊藤内閣が成立しました。
これにより、日本は西洋型の「首相を中心とした政治体制」を持つ国家となります。
太政官制度の廃止(旧体制の終焉)
明治維新以来続いていた太政官制度は、この年で廃止されました。
これにより、維新直後の暫定的な政治体制から、本格的な国家運営の仕組みへと移行します。
憲法制定への準備の本格化
内閣制度の成立によって、政府は憲法制定や議会開設に向けた準備を本格化させました。
後の大日本帝国憲法(1889年)へとつながる重要なステップとなります。
つまり1885年は、日本が「近代国家として動く政府」を手に入れた年でした。
出来事・事物起源・話題
- 1月1日
- 往復はがき、初めて発行される
- 1月7日
- 特命全権大使井上馨、韓国全権大臣金宏集と談判、我要求五事を約す
- 1月17日
- 羅馬字会創立、第一回例会を開催
- 1月25日
- 千葉医学校開校(現在の千葉大学)
- 1月25日
- 大山巌、欧州の兵制視察を終え帰朝
- 1月27日
- ハワイ第1回移民(927人出発)
- 2月7日
- 政商、岩崎弥太郎死去
- 2月24日
- 伊藤博文、特派全権大使として清国へ差遣(西郷従道、井上馨これに従う)
- 3月1日
- 赤羽・品川間の鉄道開通(官私営鉄道の最初)
- 3月9日
- 初めて電話機・電燈が輸入される(エジソンが電話機と白熱電燈26個を工部大学に寄贈)
- 3月17日
- 全権大使伊藤博文、西郷従道、天津にて李鴻章と会見(天津条約の談判)
- 3月18日
- プロシア参謀少佐メッケル、陸軍大学校雇教師となる
- 4月3日
- 特派全権大使伊藤博文、西郷従道ら、天津において李鴻章全権と談判開始
- 4月6日
- 府県に小作慣行調査を命令
- 4月18日
- 朝鮮問題に関し、全権伊藤博文は清国代表李鴻章と天津条約調印
- 5月8日
- 九州改進党解党
- 5月9日
- 日本銀行、初めて兌換銀行券を発行する
- 5月15日
- イギリス海軍、朝鮮の巨文島を占領する
- 5月18日
- 監軍部条例(東部、中部、西部とする)、鎮台条例を改正する
- 5月20日
- 各鎮台の歩兵連隊を旅団に編成
- 5月30日
- 大蔵省に初めて預金局を設置(国家経済の運用と利殖を計る)
- 5月31日
- 富山市の大火(ほとんど全滅)
- 6月2日
- 京都にて琵琶湖疎水起工式
- 7月1日
- 特許法実施(第1号特許は堀田瑞松届けの錆止め塗料)
- 7月2日
- 関西地方に豪雨続き大洪水(とくに大阪市内の橋梁悉く流失し、死傷者多数)
- 7月17日
- 海底電信万国条約に加盟する
- 7月26日
- 明治天皇、山陽巡幸御発輦
- 9月17日
- 日本郵船創立
- 9月24日
- 違警罪即決例制定
- 10月1日
- 東京瓦斯、日本郵船両社創立
- 10月16日
- 上野駅開業
- 11月13日
- 華族女学校開校式(皇后宮行賓)
- 11月14日
- 最初の坑業組合となる九州の筑豊石炭坑業組合成立
- 11月18日
- 明治天皇、日比谷操練場に御閲覧
- 11月23日
- 大阪事件(自由党士大井憲太郎ら、清国に対する朝鮮の独立を謀り、事発覚して大阪に捕えられる)
- 11月24日
- 東京に基督(キリスト)教信徒大会開催
- 12月12日
- 大阪・堺間の鉄道開通する
- 12月22日
- 太政大臣、左右大臣、参議の制を廃し、新たに内閣各省を置き、官制改革が行われる
- 12月22日
- 最初の組閣、第一次伊藤内閣成立し初代総理大臣に伊藤博文(宮相兼務)
- 12月22日
- 宮中に内大臣をおく(三条実美)
- 12月23日
- 初代法制局長官山尾庸三を任命
- 12月28日
- 内閣に統計局を設置
- 12月29日
- 大阪・堺間の鉄道開通開業
総理大臣
伊藤博文(明治18年12月22日~明治21年4月30日)
生活の話題
衣
- 東京女子師範制服を洋服とする(10月)
- 婦人束髪会発会し、束髪多くなり、リボンが流行し始める
- 兵営にバリカン献納を出願するものあり
- 東京神田にセルロイドで櫛の製造をなすものあり
- 婦人用洋式日傘流行する
- インド産天然藍の輸入盛んになる
食
- 大日本節酒会設立
- 三田育種場『再植馬鈴薯の記』を刊行
- 大阪の屠牛数12,676頭に達し、同年の日本全屠牛中数の約80%を占める
住
- 摺附木に黄燐使用を禁止
- 東京瓦斯株式会社設立
- 横浜市初めて鉄管使用の上水道を設ける
文学
- 硯友社創立、『我楽多文庫』創刊(2月)
- 坪内逍遥著『当世書生気質』分冊刊行(6月)
- 『女学雑誌』創刊(7月)
- 坪内逍遥著『小説神髄』第一冊刊(9月)
- 東海散士著『佳人之奇遇』刊(10月)
- 近藤瓶城編『史籍集覧』正編刊了
その他
- 往復ハガキ発売(1月)
- 山手線(品川-赤羽間)開通(2月)
- 萩野ぎん、女医となる(3月)
- 電信料金、全国均一制
- 日本郵船会社設立
- 阪堺鉄道開通
- 丸善、万年筆を輸入、和製もできる
- 国産の石盤できる
- 除虫菊栽培はじまる
- 東京感化院創立
- 秋田の阿仁鉱山及び福岡県の八炭坑が開業する
この年のポイントまとめ
- 内閣制度の創設により、近代的な政府組織が成立した
- 伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任した
- 太政官制度が廃止され、旧来の政治体制が終わった
- 憲法制定に向けた準備が本格的に進み始めた
1885年は、日本の政治制度が近代国家としての形に大きく変わった年です。
内閣制度の導入によって、政府の仕組みは西洋型の体制へと移行しました。
この変化は、日本が国際社会において近代国家として認められるための重要な基盤となります。
この年を理解することで、日本がどのようにして「制度としての国家」を整えていったのかが見えてきます。
また、1889年の憲法制定や1890年の帝国議会開設が、この内閣制度の上に成り立っていることを理解することができます。
