1890年(明治23年)の出来事

帝国議会開設と教育勅語

今から136年前の出来事

1890年(明治23年)は、日本が近代国家としての仕組みを整え、「政治」と「教育」の両面で国の形を明確にした年です。

明治維新から20年以上が経過し、日本は制度としての国家を完成させる段階に入っていました。

この年は、帝国議会の開設によって政治制度が動き始めるとともに、教育勅語の発布によって国民の価値観や道徳の方向性も示されます。

つまり1890年は、「国家の仕組みと国民の考え方が同時に整えられた年」といえます。

1890年の重要出来事

  • 第1回帝国議会が開かれ、日本に議会政治が誕生した
  • 日本初の衆議院議員総選挙が行われた
  • 教育勅語が発布され、国家と教育の方針が示された
  • 府県制・郡制が公布され、地方制度が整備された

この年は何が変わったのか

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1890年(明治23年)は、憲法によって定められた制度が実際に動き出し、日本が“制度としての立憲国家”へと完成した年です。

第1回帝国議会の開設

1890年11月、第1回帝国議会が開かれました。

前年に発布された大日本帝国憲法に基づき、貴族院と衆議院からなる議会が正式に始動します。

これにより、日本は法律や予算を議会で審議する国家となりました。

衆議院議員総選挙(初の国政選挙)

同年、日本で初めての国政選挙が行われました。

選挙権は一部の男性に限られていましたが、国民が代表を選ぶ仕組みが初めて実現します。

これにより、政治に民意が反映される制度が始まりました。

教育勅語の発布

1890年、教育勅語が発布されました。

これは、忠君愛国などの価値観を教育の基本とするもので、国家と国民の関係を明確に示す重要な指針となりました。

府県制・郡制の公布(地方制度の整備)

地方自治の仕組みとして、府県制・郡制が公布されました。

これにより、中央政府だけでなく地方でも行政制度が整えられ、全国的な統治体制が完成に近づきます。

つまり1890年は、憲法で定めた制度が実際に動き、日本に議会政治が誕生した年でした。

出来事・事物起源・話題

1月18日
富山市に米騒動起る
1月21日
大井憲太郎・中江兆民ら自由党を再興
2月1日
徳富蘇峰主宰の「国民新聞」創刊される
2月3日
第伍海軍区鎮守府を室蘭に設置
2月5日
メキシコに公使を置く(米国公使陸奥宗光が兼務)
2月8日
閣議、青木周蔵外相提出の条約改正案を決定
2月11日
金鵄勲章が制定される
2月27日
浅草の大火(約1,500戸焼失)
3月6日
岩崎弥之助、政府より丸の内一帯の払い下げを受ける
3月8日
駿河台ニコライ堂開堂
3月17日
日英清間に印蔵条約
3月25日
女子高等師範学校創立
3月31日
明治天皇、豪雨中に大演習御統監
4月4日
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)来日
4月9日
琵琶湖疎水(大津・鴨川落合)第一期工事開通式、大津に挙行される(両陛下臨御)
4月18日
神戸湾において観艦式(帝国軍艦19隻)
4月21日
民法(旧民法、民法典論争おこり、施行されず)財産編公布
4月21日
呉鎮守府開庁式
4月26日
商法公布(法律48号)
4月27日
民法第一、第二、第三編公布
5月1日
世界で初めてのメーデー開催
5月17日
府県郡制を公布
6月12日
東京農林学校、帝国大学に合併
6月15日
紡績第1次操短
6月18日
利根川・江戸川間の運河開通
6月21日
軍人恩給法公布
6月30日
行政裁判法を公布
7月1日
第一回衆議院議員総選挙
7月16日
民事訴訟法施行条令公布
8月12日
電気学者藤岡市助により、初めて炭素線電球作られる
8月17日
新聞紙の挿図に初めて写真版表われる
8月25日
立憲自由党結党
9月5日
大阪の大火(約1,800戸焼失)
9月15日
東京芝に立憲自由党結党式
9月20日
フランスより初めて輪転印刷機輸入(東京着)
9月21日
日本法律学校(日本大学の前身)の開校式
10月7日
岡倉天心、東京美術学校校長に就任
10月9日
岩崎弥太郎、土佐開成商社を成立(三菱の前身)
10月10日
訴訟法公布される
10月20日
元老院廃止される
10月22日
東京市内一般の電話通話開始する(使用回数に制限を与えず)
10月24日
伊藤博文、貴族院議長となる
10月27日
初のエレベータ浅草に登場
10月30日
教育勅語、発布される(「忠」と「孝」が基本思想)
11月1日
盲人教育に点字採用
11月3日
東京に帝国ホテル創業
11月10日
東京浅草に12階の凌雲閣竣工
11月11日
東京に最初の書籍大糶市開かれる
11月13日
我国最初のエレベータ運転開始
11月20日
丸の内山下町に帝国ホテル開業
11月25日
第一回帝国通常議会召集される(初代議長に中島信行、副議長に津田真道が当選)
11月29日
第一回帝国議会開院式
12月4日
北里柴三郎、ジフテリア、破傷風の血清療法を発見
12月16日
東京・横浜間の電話交換業務開始(加入者、東京179、横浜45)
12月24日
山県有朋内閣を組織する

内閣総理大臣

山県有朋(明治22年12月24日~明治24年5月6日)

生活の話題

  • 外務省の給仕、悉く官給の制服となる
  • 東海道線全通
  • 選挙の開始などにより鞄の需要激増する

  • 大坂に外国米多く輸入される
  • 米価が騰貴して、兵舎の残飯を売捌いたものが大繁盛
  • 馬肉の流行から、牛肉に馬肉を混ぜて売るものが現れ警視庁は市中の肉屋を検査する
  • 兵庫県揖保郡神岡村のそうめん製造年産15万円に達する
  • コレラの流行で氷水売れず
  • 第3回内国勧業博覧会の会場に喫茶店を設けて成功、一般市内にも見かけるようになる
  • 村井商会、紙巻煙草サンライスを製造(国産紙巻煙草のはじめ)
  • 日本禁酒会創立

  • 銀座2丁目にスレート商会開店
  • 水道条例発布
  • 品川電燈(4月)、横浜共同電燈(10月)、深川電燈(12月)それぞれ開業
  • 神奈川県秦野町で土管の小規模上水道竣工

その他

  • 貴族院議員選挙
  • 電信交換規則発布
  • 府県制・郡制公定
  • 第3回内国勧業博覧会の際、東京電燈会社は上野公園桜岡より両大師前まで電気鉄道を敷設し運転をなす
  • 多額納税議員選挙
  • 江戸川・利根川連絡運河落成
  • 衆議院議員選挙
  • 第1回帝国議会開会
  • 電信交換規則実施
  • 日光線、水戸線鉄道開通
  • 東京・横浜間電話開通
  • 富山県で附近に綿糸工場ができ綿作を中止

この年のポイントまとめ

  • 帝国議会の開設により、日本に議会政治が誕生した
  • 初の衆議院議員総選挙により、国民の政治参加が始まった
  • 教育勅語により、国家と国民の価値観が示された
  • 地方制度の整備により、統治体制が完成に近づいた

1890年は、日本が近代国家としての制度を実際に運用し始めた年です。
憲法によって定められた議会や選挙が現実のものとなり、日本は立憲国家として本格的に動き出しました。

また、教育や地方制度も整えられ、国家の仕組みはより安定したものとなっていきます。

この年を理解することで、日本が「制度としての近代国家」を完成させた過程が見えてきます。

また、政治・教育・地方制度がどのように結びつき、国家として機能していったのかを理解する重要な鍵となります。

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