1871年(明治4年)の出来事

廃藩置県と岩倉使節団

今から155年前の出来事

この年の位置づけ

廃藩置県と中央集権化

廃藩置県が行われ、藩による支配体制は終わりを迎えました。明治政府による中央集権国家への転換が進みます。

1871年(明治4年)は、日本がそれまでの仕組みを根本から作り替え、近代国家へと大きく踏み出した決定的な年です。

この年、廃藩置県が断行され、藩による支配は完全に廃止されて、中央政府が全国を直接治める体制へと移行しました。

さらに、岩倉使節団が欧米へ派遣され、日本は西洋の制度や技術を学び、国づくりを本格的に進めていきます。

つまり1871年は、「旧来の藩体制を解体し、中央集権国家と近代化への道を一気に切り開いた年」といえます。

まず全体を把握

なぜ日本は藩を廃し、中央集権国家へと踏み切ったのか?

廃藩置県により、各藩は廃止され中央政府による統治が確立されます。
明治維新からこの年に至るまでの改革の流れを時系列で確認できます。

明治初期の改革の流れを一気に理解する →
1871年のポイントQ&A

Q. 1871年は何が起きた?
A. 廃藩置県が行われ、日本は中央集権国家へと移行しました。

Q. なぜ重要なのか?
A. 江戸時代の藩制度が廃止され、国家の仕組みが大きく変わったためです。

Q. この後どうなる?
A. 徴兵制や教育制度などの近代改革が進みます。
1873年(徴兵令)を見る

1871年の重要出来事

岩倉大使欧米派遣
岩倉大使欧米派遣
  • 廃藩置県が実施され、中央集権国家体制が確立された
  • 岩倉使節団が欧米へ派遣され、近代制度視察が始まった
  • 新貨条例が制定され、円・銭・厘の通貨制度が導入された
  • 戸籍法が制定され、全国的な戸籍整備が進められた
  • 明治政府による近代化改革が全国規模で進展した

この年に始まったこと

スポンサーリンク

1871年(明治4年)は、明治政府が中央集権国家の実現へ向けて大改革を断行した年です。廃藩置県をはじめ、近代日本の基礎となる制度や組織が次々とスタートしました。

  • 廃藩置県が始まった
    全国の藩が廃止されて府県に再編されました。日本は藩による統治から中央政府による統一国家へと大きく転換しました。
  • 郵便制度が始まった
    前島密の主導により、日本初の近代郵便制度がスタートしました。東京・京都・大阪間で郵便業務が開始されました。
  • 工部省が設置された
    鉄道・鉱山・造船・電信などを担当する工部省が設置され、日本の近代産業育成が本格的に始まりました。
  • 岩倉使節団が出発した
    岩倉具視を特命全権大使とする使節団が欧米へ派遣されました。近代国家建設のための海外視察と条約改正交渉が始まりました。
  • 新貨条例による円・銭・厘制度が始まった
    新貨条例が制定され、「円」を基本単位とする近代的な通貨制度がスタートしました。

1871年は、「中央集権国家と近代制度が始まった年」でした。

この年は何が変わったのか

1871年(明治4年)は、明治政府が中央集権国家への改革を一気に進めた年でした。廃藩置県によって藩の時代は終わり、日本は近代国家として新しい統治体制へ大きく変化していきます。

廃藩置県によって藩の時代が終わった

1871年、明治政府は廃藩置県を断行しました。全国の藩は廃止され、中央政府が任命する府知事・県令による統治へ移行したことで、日本は本格的な中央集権国家へ変わっていきます。

中央集権国家への改革が一気に進んだ

廃藩置県によって、各地の軍事・財政・行政権限は中央政府へ集められました。これにより、明治政府は全国統一的な政治運営を行える体制を整えていきます。

岩倉使節団によって西洋視察が始まった

岩倉具視を中心とする岩倉使節団が欧米へ派遣されました。使節団は条約改正交渉だけでなく、西洋の政治・産業・教育制度を視察し、日本近代化の重要な参考としていきます。

戸籍制度によって国民管理が進められた

明治政府は戸籍法を制定し、全国民を把握するための近代的戸籍制度を整え始めました。これにより、徴兵・徴税・教育など近代国家運営の基盤づくりが進んでいきます。

新貨条例によって近代通貨制度が整備された

1871年には新貨条例が制定され、「円・銭・厘」を単位とする近代通貨制度が導入されました。経済制度の近代化も進み、日本は西洋型経済国家への転換を進めていきます。

身分制度改革がさらに進んだ

明治政府は華族・士族・平民という新たな身分区分を定め、旧来の封建的身分制度を整理していきました。武士中心社会から、近代国民国家への変化が本格化していきます。

この年の重要人物

1871年(明治4年)は、廃藩置県によって藩制度が廃止され、日本が中央集権国家へ大きく踏み出した年です。また、岩倉使節団が欧米へ出発し、近代国家建設に向けた調査が始まりました。明治政府の改革が本格化したこの年を理解するうえで重要な人物を整理します。

  • 大久保利通
    廃藩置県の実現を主導した明治政府の中心人物です。中央集権国家の確立に向けて大きな役割を果たしました。
  • 木戸孝允
    維新政府の指導者として廃藩置県を推進しました。藩による統治から国家による統治への転換に尽力しました。
  • 岩倉具視
    岩倉使節団の特命全権大使として欧米へ出発しました。近代国家建設のための調査を担った重要人物です。
  • 伊藤博文
    岩倉使節団の一員として欧米へ渡りました。後の憲法制定や国家制度整備につながる経験を積みました。

出来事・事物起源・話題

1月9日
横井小楠、大村益次郎に続き、広沢真臣が暗殺される
1月16日
西郷隆盛・木戸孝允・大久保利通が、政治改革について協議するため山内容堂を訪問する
1月18日
ドイツ帝国が成立し、ヴィルヘルム1世が初代皇帝に即位する
1月24日
東京・京都・大阪を結ぶ郵便制度の規則が公布される
1月28日
普仏戦争でパリが陥落し、フランスが休戦を申し入れる
2月2日
西郷隆盛・山内容堂・板垣退助・山県有朋らが上京し、政府改革が本格化する
2月8日
東京の火災で初めて消防ポンプが使用される
2月13日
天皇直属の軍隊である御親兵が設置される
2月17日
初めて一般から海軍水兵の募集が行われる
2月22日
薩摩・長州・土佐各藩の兵が御親兵として編成され、兵部省の指揮下に置かれる
3月1日
郵便切手が発行され、郵便ポストも設置される
3月5日
江藤新平が対外政策について岩倉具視に意見書を提出する
3月11日
神武天皇祭が始まる
4月4日
戸籍法が制定される
4月4日
旧藩札の発行が禁止される
4月7日
専売特許条例(特許制度)が制定される
4月12日
皇居に電信が設置される
4月18日
平民にも乗馬が認められる
4月20日
郵便制度が正式に開始される
4月21日
西郷隆盛が常備兵を率いて京都に入る
4月21日
東京―長崎間の郵便業務が開始される
4月23日
日本初の鎮台(近代陸軍の拠点)が設置される
4月24日
戸口調査のため、各家屋に番号が付けられる
4月30日
遊女の性病予防制度が整備される
5月1日
大井川の川越制度が廃止される
5月9日
東京の主要道路で車道と歩道の区分が定められる
5月10日
新貨条例が制定され、「円」を単位とする新しい通貨制度が始まる
5月13日
副島種臣が樺太問題解決のためロシアへ派遣される
5月14日
天然痘予防のため種痘が奨励される
5月28日
横浜と東京で洋服店が開業する
6月18日
尻屋崎灯台が完成する
6月25日
西郷隆盛と木戸孝允が参議に任命される
7月14日
廃藩置県が実施され、藩が廃止されて府県制度へ移行する
7月18日
文部省が創設される
7月20日
大蔵省内に紙幣局が設置される
7月29日
太政官制度が改正され、正院・左院・右院が設置される
7月29日
日清修好条規が締結される
8月4日
初代侍従長に徳大寺実則が任命される
8月5日
三条実美が完成間近の鉄道で試乗を行う
8月9日
散髪と廃刀が自由となる
8月18日
明治天皇が初めて馬車で行幸される
8月18日
東京と大阪に鎮台が設置される
8月23日
華族・士族・平民の身分を超えた結婚が認められる
8月28日
穢多・非人の呼称が廃止される(解放令)
9月2日
官吏の給与が月給制となる
9月5日
東京に文部省直轄の博物館が開設される
9月7日
田畑で自由に作物を栽培できるようになる
9月9日
江戸城で初めて正午の号砲が撃たれる
10月1日
東京で日本初の博覧会が開催される
10月3日
宗門人別帳制度が廃止される
10月8日
岩倉使節団が欧米派遣のため出発する
10月23日
東京に巡査3,000人が配置される
11月4日
新橋駅が完成する
11月22日
全国の行政区画が3府72県に再編される
12月26日
東京裁判所が設置される

生活の話題

  • 米国人ヘボン、横浜居留地で女学校を開き、編物刺繍を教える
  • 散髪・脱刀勝手令発布、その前後シャッボ買占め行われる
  • 平民羽織袴の着用許可
  • 婦人で散髪するものあり
  • 紀州の瀬戸重助、綿布に起毛考案、翌年製造開始
  • 東京府、屋外の裸体裸足を禁止
  • 北海道開拓使、東京出張所で洋裁の伝習生を募集
  • 邏卒服、郵便服の制服を定める
  • 和歌山の弾直樹、製靴伝習所を開始、毎月1万足以上の生産をなす
  • 西村勝三、製靴工場内にメリヤス機会を輸入、手袋の製造を始める

  • 京都府・福井・千葉県で搾乳目的の牧牛を始める
  • 乳児用ゴム吸口のあるガラス壜「乳母イラズ」と称した
  • 牡牛のみ屠殺せよとの布告出る
  • 東京市中パンを売る店多くなる
  • 各地で天然氷をつくる、箱館氷が最も有名
  • 東京にリキュール酒をつくるものあり

  • 大阪造幣局、洋風建築成
  • 官庁椅子の使用始める
  • 官員住宅に関する規則施行
  • 石坂周造、長野石炭油会社創設
  • 横浜ガス局設置
  • 国産セメント製造に成功

その他

  • 三都に郵便受取所、書状集め箱を設けることとする
  • 浅草の火事に洋式ポンプ威力を示す
  • 秋葉大助、大阪に人力車製造の支店をおく
  • 大阪荷車の橋上通過の自由を認める
  • 戸籍の規則布告
  • 平民の乗馬許可
  • 新貨条例発布
  • 岩手の農民、父の仇を討つ
  • 東京・大阪交通製に関する布告をなす
  • 廃藩置県
  • 郷社定則・氏子調規則発布
  • 華族と平民の結婚を許可する
  • 官員、月給制となる
  • 帯刀者の渡場無賃乗船を廃止
  • 東京城内で毎日正午に号砲のドンを始める
  • 東京府に邏卒3000人を配す
  • 武家地も地租を納めることとなる
  • 東京市中で、かごは人力車に圧倒され哀微する
  • 洋傘輸入41万円にのぼる
  • 横浜の各所に共同便所できる

1871年のポイントまとめ

  • 廃藩置県によって中央集権国家が誕生した
    明治政府は全国の藩を廃止して府県を設置し、日本は中央集権体制へ大きく転換しました。
  • 身分制度改革が進められた
    四民平等政策が進み、武士中心の身分制度は徐々に解体へ向かっていきました。
  • 岩倉使節団が欧米へ出発した
    岩倉具視や大久保利通らが欧米視察へ向かい、西洋制度や技術の調査を開始しました。
  • 近代国家づくりが本格化した
    政治・軍事・経済・教育など各分野で、西洋型国家制度導入への改革が進み始めました。
  • 明治維新最大級の改革が行われた年であった
    1871年は、廃藩置県によって日本の国家構造が大きく変わった歴史的転換点でした。

1871年は、廃藩置県によって日本が本格的な中央集権国家へ生まれ変わった年でした。また、岩倉使節団の派遣によって、日本は西洋近代国家を本格的に学び始めます。 明治政府はここから急速な近代化政策を推し進めていくことになりました。

1871年のよくある質問 Q&A

Q. 1871年とはどんな年ですか?

1871年は、廃藩置県により藩が廃止され、 日本が中央集権国家として再編された年です。

Q. 廃藩置県とは何ですか?

廃藩置県とは、各藩を廃止して県に置き換え、 政府が直接統治する制度です。 日本の統治体制が大きく変わりました。

Q. なぜ廃藩置県が行われたのですか?

藩ごとに分かれていた統治を一本化し、 強い中央政府を作るためです。

Q. それまでの藩はどうなりましたか?

藩主は知藩事から免職され、 東京に移されるなどして政治的な力を失いました。

Q. なぜ1871年は重要なのですか?

日本が近代国家としての統治体制を完成させた年だからです。 明治政府の基盤が確立しました。

Q. 1871年の出来事はその後どうつながりますか?

徴兵制や教育制度などの近代改革が進み、 国家としての体制が整っていきます。
1873年(徴兵令)を見る

Q. 他に重要な出来事はありますか?

岩倉使節団が欧米へ派遣され、 西洋の制度や文化を学ぶ動きが始まりました。

Q. 1871年の重要人物は誰ですか?

大久保利通、木戸孝允、岩倉具視などが重要人物です。

Q. 1871年は日本にとってどんな意味がありますか?

1871年は、日本が中央集権国家として完成した年です。 近代国家としての基礎が確立されました。

次に読むなら

中央集権化の完成は、日本をどう変えていったのか?

行政・軍事・経済の統一が進み、日本は本格的な近代国家へと発展していきます。
明治初期から中期への流れをあわせて理解できます。

明治の発展の流れを確認する →

時代の流れをもう少し広く見る

明治時代年表から、この年の前後をたどる

明治維新から日清・日露戦争、近代国家の形成までを時系列で整理しています。

スポンサーリンク