大阪中の島(中之島)
中の島は淀屋橋の東に斗出し其の長さ五町許りあり
中に中の島公園地ありて園地に梅桜数株を栽へ風光最も美なり
近傍数軒の割烹店ありて洗心館自由亭銀水楼等其の名最も高し
明治33年発行『日本名勝百景』より
現代語
中の島は淀屋橋の東に突き出ており、その長さは約500メートルほどです。中の島には公園があり、公園内には梅や桜の木がいくつか植えられており、その風景は非常に美しいです。近くには何軒かの料亭があり、「洗心館」「自由亭」「銀水楼」などの名前が非常に有名です。
中之島の概要
大阪市北区に位置する中之島は、堂島川と土佐堀川に囲まれた48.8万㎡の東西に細長い中洲です。この地域は、近世初期に淀屋常安によって開発されました。その後、諸藩の蔵屋敷が集中し、大阪経済の中核として繁栄を遂げました。
近代に入ると、その繁栄はさらに進展。蔵屋敷の跡地には、商法司・通商司の支所や通商会社、為替会社、駅逓司大阪郵便役所、大阪裁判所などが建てられました。さらに、府立図書館や大阪支庁、日銀大阪支店、大学、新聞社、ホテル、会社、銀行などが集結し、現在は大阪市北区中之島一〜六丁目として、シビックセンターやビジネスセンターとしての役割を担っています。