信濃松本城

東筑摩郡の中央松本町にあり
古へ小笠原氏の居城にして今はその天守閣を存するのみ
地は長野上田とてい足の形を占め長野町へ十六里三十余丁上田へ十里五十丁あり
町内古寺名刹多し
明治33年発行『日本名勝百景』より
松本城の概要

長野県松本市の市街地にあった城。
起源は不明だが、当初は深志城といい、南北朝期には小笠原氏の支城であった。
1550年(天文19年)武田信玄が改修し、拠点としての重要性が増した。
武田氏滅亡後は木曽義昌・小笠原貞種・同貞慶・同秀政が城主となるが、その後の石川教正が大改修を実施し、現在に伝わる規模となった。
本丸をコの字形に二の丸が囲み、その四周を三の丸が固め、要所に馬出しが普請されていた。
江戸時代は小笠原・戸田・松平・堀田・水野各氏の大名が入城し、明治維新を迎えた。
近年二の丸御殿跡の発掘が実施された。
国史跡、五層の天守は国宝。