安芸宮島(厳島神社)
厳島と称す神社は国幣中社にして人皇三十四代推古天皇の御宇に創建し本邦最も有名なる社殿の結構を備ふ
島中風景の美なる古来八景の存するあり殊に桜楓多く又月景の名区とす
明治33年発行『日本名勝百景』より
厳島神社の概要
- 別称
- 伊都岐島神社とも
- 鎮座地
- 広島県宮島町
- 社格
- 式内社・安芸国一宮・旧官幣中社
- 祭神
- 市杵島比売命・田心姫命・湍津姫命の宗像三女神
- 例祭
- 旧暦6月17日、管絃祭で知られる
811年(弘仁2年)名神と四時の幣帛にあずかる。
1017年(寛仁元年)の奉幣で安芸国では当社のみがあげられ、この頃から一宮としての地位が確立したとされる。
平清盛の安芸守就任以降、平氏一門の崇敬を集めて隆盛。この頃の神主は佐伯姓だったが、承久の乱後、藤原姓神主となった。
戦国期以降、大名の庇護下にあったが、民間でも広く信仰された。
諸建築・所蔵文化財の多くが国宝・重文。とくに海中の大鳥居や平家納経が著名。
厳島文書を所蔵。
社殿
平安末期に平氏の庇護をうけて壮大な社殿群が整備された。
1223年(貞応2年)の火災後、1241年(仁治2年)の再建築が現存。
本社と摂社客神社にそれぞれ本殿・幣殿・拝殿・祓殿があり、廻廊でつながれる。満潮時には床下まで水没。
本殿は切妻造の前後に庇を加えた両流造という固有の形式。
国宝。