近江竹生島
琵琶湖中に在り周囲約二十六町
島中都久夫須磨神社あり島形宛がら猛虎の蹲るが如く
老樹森然として聳い山水の勝稀世の絶景なり
古へ島に二岐の竹を生ずと故に此の名称あり
明治33年発行『日本名勝百景』より
現代語
琵琶湖の中に位置しており、周囲は約2800kmもある。島の中心には都久夫須磨神社があり、島の形はまるで猛虎がうずくまっているようだ。古い木々が立ち並び、美しい山と水が組み合わさった絶景を持っている。昔、この島には二本の竹が生えていたと言われており、それがこの島の名前の由来となっている。
竹生島の概要
琵琶湖の北部には、滋賀県びわ町に属する小さな島が浮かんでいます。この島の面積は0.14k㎡で、周囲は約2kmです。古代からこの島は信仰の対象となっており、南部には都久夫須麻神社(竹生島明神)や、竹生島観音で知られる宝厳寺が存在しています。特に、宝厳寺の弁才天は、江ノ島や厳島の弁才天と並び、日本三弁天に数えられています。
島の成立に関する伝承は「帝王編年記」に記されています。それによれば、伊吹山の神が浅井の岡の神との力比べに負けた後、浅井の神の首を切りました。その落ちた首が島となったというのです。