美濃虎渓山(永保寺)
可児郡豊岡村にあり夢窓国師の創立にして寺を永保寺と号す
此地は土岐川に沿ふる凹所の深渓にして奇樹怪石危楼霊渓間に点在して其の幽邃愛すべし
山中の霊跡又挙て算ふ可らず
明治33年発行『日本名勝百景』より
現代語
可児郡の豊岡村に位置し、夢窓国師が創立した寺で、永保寺と名付けられている。この場所は土岐川に沿った渓谷の中のくぼみにあり、特異な木や変わった形の石、高い建物や霊的な谷間が点在していて、その静寂と深さが魅力的だ。山の中には数えきれない霊的な場所がある。
永保寺の概要
- 別称
- 虎渓寺・古渓寺・巨景山とも
- 所在地
- 岐阜県多治見市虎渓山町
- 宗派
- 臨済宗南禅寺派
- 山号
- 虎渓山
1313年(正和2年)に、夢窓疎石は彼の法の弟である元翁本元と共に、長瀬山に庵を結ぶことから始まったと言われています。この山の風景は、中国の廬山にある虎渓と似ているとされ、そのことから「虎渓山」と名付けられました。
さらに、1339年(暦応2年・延元4年)の3月に、この山は勅願寺としての地位を得ました。観音堂前の庭園は、その美しさから国の名勝に指定されています。また、この場所には観音堂や開山堂(国宝)、そして「千手観音像」(重要文化財)など、多くの価値ある文化遺産が存在しています。