広瀬武夫の名言・語録
広瀬少佐の筆蹟(八代六郎大佐に宛てた告別の書簡)
指揮福井丸再
赴旅順口閉塞七生報国 七たび生まれて国に報ぜん
一死心堅 一死 心堅し
再期成功 再び成功を期し
含笑上船 笑みを含みて船に上る武夫
天佑を確信し、再び旅順口閉塞の途に上り申候。先回御恵贈の貴影は、亡父の写真と共に収めて「ポツケット」にあり。形影相伴ふの御意に添ひ、一層の成功を期し申候也。
再拝明治37年3月19日
八代六郎大佐に宛てた告別の書簡
六郎盟兄 武夫
先輩にして時の浅間艦長たりし八代六郎大佐に宛てた告別の書簡
第2回旅順口閉塞作戦が決定し、家族に宛てた書簡
再び旅順口閉塞の挙あり。武夫は茲に福井丸を指揮して、武臣蹇々の微を致さんと欲す。所謂一再にして已まず、三四五六七回人間に生れて、国恩に酬いんとするの本意に叶ひ、踴躍の至に不堪候。今回も亦天祐を確信し、一層の成功を期し申候。
七生報国 七たび生まれて国に報ぜん
一死心堅 一死 心堅し
再期成功 再び成功を期し
含笑上船 笑みを含みて船に上る時下、母上様、叔父上様始め、各位の御自愛を望み、一家親戚の倍々繁栄を祈り居申候也。再拝
明治37年3月21日 武夫
家族に宛てた書簡
第2回旅順口閉塞作戦が決定し、家族に宛てた書簡。
第1回閉塞には報国丸を、第2回閉塞には福井丸を指揮し、遂に3月27日、広瀬武夫は第2回の閉塞に於て僅かに一片の肉塊を留めて旅順口外に壮烈なる最後を遂げる。